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箱根HAKONE
ガイド · 写真

【新宿から80分】箱根の撮影スポット、日帰り客が来る前の早朝に〜鳥居と富士山から大涌谷の噴煙まで〜

hakone, Japan
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  1. 日帰り8割の町で、朝がフレームを空ける
  2. 定番の箱根撮影スポットと、それぞれが欲しがる光
  3. スイッチバックの電車と、6月の花の窓
  4. チェックリストの外にあるフレーム
  5. 空いたフレームについての、ひとつの仮説
新宿から
約80分
ベストな光
早朝
定番の一枚
鳥居+富士山
ピーク時期
6月中旬・11月
富士山が見える確率
冬の晴れた朝
フリーパス
¥7,100(2日間)

カメラを持って、どこか遠くまで行かなくてもいい休日に。新宿から約80分、箱根フリーパス1枚で、富士山も噴煙もスイッチバックも一日でめぐれます。始発のロープウェイに乗り込めば、硫黄の匂いと朝の冷たい空気に包まれながら、まだ誰も立っていないフレームが待っている――信じられないほど静かな朝もあるんです。箱根町が2024年に記録した来訪者は2,031万人、6年ぶりに2,000万人を超えた町とは思えない静けさです。

だからこの記事は、どこにカメラを向けるかの地図ではありません。いつ、そのスポットに立っているべきか。その時計の読み方と、どの箱根の撮影スポットが本当に早起きに報いてくれるのか、という話です。

    日帰り8割の町で、朝がフレームを空ける

    日帰り客はおよそ79.8%。この比率が、人の流れの正体をそのまま教えてくれます。多くは午前遅くに着いて、日中は同じ名所に溜まり、夕方には東京へ引いていく。2023年でみれば、宿泊客394万人に対して、日帰り客は約1,557万人。谷は毎日、読めるカーブを描いて満ちては引いていくんです。

    見方を変えると、箱根の制約は場所ではなく時計だとわかります。箱根ロープウェイが動き出すのは9:00、芦ノ湖の遊覧船も登山電車も決まったダイヤで走り、数少ない宿泊客は日帰りの波が来る前と去った後に、名所をほぼ独り占めできます。最初の登りと最後の渡し舟こそ、箱根でいちばん過小評価された時間帯。しかも箱根フリーパスは、その両方をすでにカバーしてくれています。

      定番の箱根撮影スポットと、それぞれが欲しがる光

      象徴はやはり、芦ノ湖の浅瀬に立つ朱塗りの平和の鳥居。757年創建の箱根神社が湖畔に構える、日本でもっとも撮られる鳥居のひとつです。その人気は行列が証明していて、午前半ばには桟橋に一列の待ちができます。だから狙うのは、水面が静かで待ちの短い開門直後。富士山が構図に加わるのは晴れた日だけ、しかもその晴れ方には季節があります。夏は斜面が熱を持って正午には雲が山頂を覆いますが、冬の冷たい空気は富士山をずっと遅くまで見せてくれるんです。12月の朝は、7月の朝よりもずっと分がいいですよ。

      大涌谷は、まったく逆のゲームです。ロープウェイで早雲山から桃源台方面へ向かい、大涌谷で乗り換えて着く、活発な地熱の谷。硫黄の噴気孔と漂う白い噴煙に満ちていて、曇り空はむしろその雰囲気を深めてくれます。晴れれば西に富士山、眼下に光る芦ノ湖まで、ゴンドラが構図に収めます。でも主役は噴煙そのもの――見るより先に、匂いでその一枚に気づくはずです。大涌谷くろたまご館では、火山の温泉で黒く染まった名物の黒たまごを、約4個入り500円で売っています。一つ食べると寿命が七年延びるという言い伝えがあって、ひび割れた灰黒色の殻は、たいていの土産物よりずっといいクローズアップになってくれます。

        スイッチバックの電車と、6月の花の窓

        箱根登山鉄道は、日本最古の山岳鉄道です。箱根湯本から標高約750メートルの強羅まで、出山・大平台・上大平台の3つの信号場で進行方向を反転させながら登っていきます。この反転が電車を這うような速さにする。それこそが、まさに写真の生まれる瞬間なんです。6月中旬から7月初旬には、線路沿いに約1万株のあじさいが咲きそろいます。この時期の路線は「あじさい電車」の愛称で親しまれ、夜間運行では花がライトアップされて、昼とはまるで別のフレームを見せてくれますよ。

        実際に線路脇を歩いてみると、あのゆっくりしたカーブこそが贈り物だと気づきます。スイッチバックでホーム側から狙えば、車両が青い花のなかをブレて過ぎるのではなく、ゆっくり流れていく。ただしこの窓は、もっとも混む季節とも重なります。あじさいのピークと週末の日帰り客の流れが、ほぼぴたりと合ってしまうんです。だから狙いは、平日の登りの一番電車。それが、やわらかな光と窓際の席を用意してくれます。

          撮ってもらいたい方へ

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          鳥居、噴煙、スイッチバックをめぐる、ガイド付きの周遊。日帰りの波の一歩先を行くように組まれています。

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          チェックリストの外にあるフレーム

          箱根でいちばん絵になる一角は、有名な場所とは限りません。たとえば箱根 彫刻の森美術館。1969年開館の日本初の野外美術館で、ロダン、ヘンリー・ムーア、ミロによる120点超の彫刻を7万平方メートルの丘陵に配し、300点を超えるピカソ館まで備えています。登山線の彫刻の森駅のすぐそばにあって、平らな灰色の光がブロンズや石を静かに引き立ててくれます。だから富士山には恨めしい曇りの日が、ここでは正解の日になるんです。バスで少し行けば、箱根ガラスの森美術館がその逆を演じます。屋外のクリスタルは直射日光がないと輝かないので、晴れた朝こそガラスの森がきらめく時間ですよ。

          もっと静かな一枚を求めるなら、旧東海道の杉並木を歩いて、芦ノ湖畔に復元された箱根関所へ。木漏れ日と、濾された光と、江戸時代の気配があって、美術館のような行列はありません。さらに進めば、甘酒茶屋があります。同じ山本家が十三代にわたって営む茅葺きの茶屋で、あの低く暗い屋根の下で味わう一杯の甘酒は、休憩でもあり一枚のフレームでもあるんです。名所から名所へ急ぐ日帰り客が、ほとんど辿り着かない一層ですよ。

            空いたフレームについての、ひとつの仮説

            ここは逆張りの読みです。箱根を撮るのは難しく思える――来訪2,000万人の谷で、5人に4人が同じ日中の時間帯に群れる。でも、だからこそきれいな一枚が撮れます。一日の端の時間を争う人が、ほとんどいないからです。富士箱根伊豆は2024年、日本でもっとも訪れられた国立公園で、海外からの訪問者はそこに390万人が加わりました。それでも、その混みかたには決まった山があって、ちゃんと読めるんです。予測できる混雑とは、一歩先回りできる混雑のことでもあります。

            まだ仮説ですが、筋は通っています。早いロマンスカーに乗る。新宿から箱根湯本まで約80分、全席指定です。着いたら一番のロープウェイで、日帰りの波が来る前に鳥居へ立つ。曇りの時間は彫刻の森美術館にあて、杉並木は午後遅くに取っておきます。そうすれば、誰もが知る箱根の撮影スポットが、誰もほとんど手にしないフレームを手渡してくれるはず。次の晴れた朝、始発の一本から動き出してみてはいかがでしょう。

              Good to know

              箱根のおすすめ撮影スポットはどこですか? +

              芦ノ湖に立つ箱根神社の平和の鳥居(晴れた日は背後に富士山)、ロープウェイから望む噴煙の大涌谷、6月にあじさいが咲き並ぶ登山電車のスイッチバック、箱根 彫刻の森美術館の彫刻群、そして箱根関所近くの旧東海道の杉並木です。

              箱根で写真を撮るのに一番いい時間帯は? +

              早朝が狙い目です。ロープウェイは9:00に始動し、箱根の来訪者はおよそ80%が日帰り客で、午前遅くに着いて日中は名所に溜まります。鳥居の行列も富士山を覆う雲も一日が進むほど育っていくので、最初の登りと湖畔での最初の1時間が、もっともきれいに撮れますよ。

              箱根から富士山をくっきり撮れるのはいつですか? +

              冬の晴れた朝がもっとも分がいいです。冷たい空気は富士山を遅い時間まで見せてくれますが、夏は斜面が熱を持って正午までには雲が山頂を隠しがち。いずれにせよ早めが正解で、大涌谷や芦ノ湖からの富士山は、おおむね朝の被写体だと思っておくと安心です。

              この混雑を考えても、カメラを持っていく価値はありますか? +

              あります。ただし正直な但し書きをひとつだけ。あじさいの季節の週末の日中は、日帰り客と花のピークの流れが重なって、行列越しに撮るような感覚になることもあります。平日の一番電車に乗れば、同じ鳥居も谷もスイッチバックも、すっと開けてくるはず。箱根フリーパス(新宿発の2日間で¥7,100)が、乗りたい電車・ロープウェイ・芦ノ湖の船をカバーしてくれます。