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箱根HAKONE
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【新宿から80分】東京発・箱根日帰りの正解ルート〜ロマンスカーとフリーパス、混雑を出し抜く時刻選び〜(2026年版)

hakone, Japan
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  1. 来る人の8割が日帰り。山は一日で満ちて、引いていく
  2. ルートは4択、でもフリーパスがほぼ必ず勝つ
  3. 電車を降りて、まず一杯。地元が通うそばの本場
  4. 時刻表には載っていない、乗ること自体のごほうび
  5. 静かな時間帯についての、ひとつの仮説
出発地
新宿
列車
小田急ロマンスカー
所要時間
約80分
きっぷ
箱根フリーパス
費用
約¥7,100 / 2日間
狙い目
9時までに最初の登りを

予定を詰め込まず、それでいてちゃんと遠くまで来た気分になりたい日に。新宿から小田急ロマンスカーで約80分、箱根フリーパスは2日間で約¥7,100。全席指定の座席に沈んで車窓を眺めるうちに、いつのまにか山の匂いが濃いほうへ運ばれています。着くのは箱根湯本ですが、ここはゴールではなく、噴煙の谷も湖上の鳥居も彫刻の森も、ぜんぶこの上に広がる登山口です。

    来る人の8割が日帰り。山は一日で満ちて、引いていく

    コロナ禍からの戻りは、拍子抜けするほどきれいでした。箱根町の2024年の観光客数は2,031万人、6年ぶりに2,000万人の大台を超えています。箱根を抱く富士箱根伊豆国立公園は、外国人来訪者数390万人(2024年)と日本の国立公園でいちばん。それだけの人波が、たった一本の山岳鉄道に吸い込まれていきます。ところが、どう来ているかを見ると景色が一変します。2023年の来訪者は1,951万人。そのうち1,557万人、率にしておよそ79.8%が、日帰りでした。宿に泊まったのは、5分の1ほどですよ。

    この一つの数字が、計画を根っこから組み直します。5分の4が日帰りということは、山が一日の潮の満ち引きで満ちては引く、ということ。そして潮がたまるのは、周遊路の細い接続点です。2両編成のスイッチバック鉄道、ロープウェイのゴンドラ、湖にたった一隻の遊覧船。箱根のボトルネックは、東京からのロマンスカーではありません。正午の大涌谷、ロープウェイ乗り換えの――あの行列です。だとすれば、効くのは経路選びより時刻選び。日帰りの波が乗り換え地点に届く前に、最初の登りだけ、そっと早めに動かしておく。それが正解ですよ。

      ルートは4択、でもフリーパスがほぼ必ず勝つ

      箱根フリーパスは、乗る前に新宿の小田急旅行センターで手に入れておきます。新宿発の2日間パスは約¥7,100(金額は出発駅や情報源で多少ぶれるので、当日に正確な価格を確かめてください)。これ一枚で新宿〜小田原の往復に、山の周遊路すべての区間がまるごと乗り放題になります。登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、芦ノ湖の遊覧船、路線バス。ロマンスカーだけは指定席料金が別に上乗せされ、片道おおよそ¥1,150〜1,200です。とにかく安く、というなら料金不要の通常急行でもかまいません。

      計算してみると、箱根フリーパスは日本の鉄道パスでもめずらしく、ふつうの観光で本当に元が取れる一枚です。理由は単純で、乗るのが一本の路線ではなく六つの乗り物だから。定番の時計回り(湯本から強羅へ登り、大涌谷をロープウェイで越え、芦ノ湖を船で渡り、バスで戻る)をなぞるだけでも片道運賃はみるみる積み上がり、ロープウェイに着く頃にはたいてい元が取れています。もうひとつ、地味に効くのが改札のたびにきっぷを買わずに済むこと。タッチで通り抜けられる身軽さは、5分の4が日帰りの山では、浮いた円と同じくらいありがたいはずです。

      • 新宿 → 箱根湯本、小田急ロマンスカー:約80分、全席指定、直通
      • 新宿 → 箱根湯本、通常の小田急急行:少し遅く安い、小田原で乗り換え1回
      • 東京駅 → 小田原を新幹線で(約35分)、そこから箱根登山線で箱根湯本へ
      • 箱根フリーパス(新宿発):2日間で約¥7,100。ロマンスカー指定席は片道あたり約¥1,150〜1,200が追加

      電車を降りて、まず一杯。地元が通うそばの本場

      お腹が空くのは、ちょうど箱根湯本のあたり。そしてここは、この一帯を代表するそばの本場でもあります。初花そば本店は1934年から箱根湯本駅近くの同じ通りで暖簾を守っていて、名物の『せいろそば』は覚えておく価値のある土地の流儀。そば粉を水ではなく自然薯(じねんじょ)と卵でつなぐから、ふつうのそばより密で、つややかで、力強いのど越しになります。本格派なら、手打ちそばの豊かな香りでミシュランの星を射止めた竹やぶも。補給というより、それ目当てに山を選ぶ一食です。駅から徒歩5分の湯葉丼 直吉は、湯葉丼を箱根の湧き水で仕立てる。ほかのどこでもなく、ここで食べる理由そのものですよ。

      山を上がると、食べること自体が観光になります。大涌谷の黒たまご館が売るのは、この谷の名物『黒たまご』。硫黄泉で殻が鉄分に染まって黒くなるまで茹でた卵で、4個で¥500ほど。1個食べると寿命が7年延びる、というのが土地の言い伝えです。硫黄の匂いが鼻をつく谷で、熱々の殻をむく。それだけで、ちょっとした儀式めいてきます。そして湯本と芦ノ湖のあいだ、旧東海道沿いの甘酒茶屋は、茅葺きの屋根の下で300年以上、甘酒と力餅を出しつづけてきました。いま営むのは13代目の山本家。休憩の甘味処でありながら、それ自体が見に来る価値のある一軒。そんな稀な場所に、腰を下ろしてみては。

        ロマンスカーを降りたら、その先へ

        早めに、時計回りで周遊を

        正午のロープウェイ行列を出し抜く日帰りルートを、停留所ごとに。

        日帰りルートを開く

        時刻表には載っていない、乗ること自体のごほうび

        登ること自体が、そのひとつ。日本最古の山岳鉄道・箱根登山鉄道は、出山・大平台・上大平台の3つの信号場でスイッチバックを繰り返しながら、箱根湯本から標高約750メートルの強羅まで運んでくれます。列車が停まり、運転士と車掌が前後を入れ替わり、また逆向きに坂を登り直す。6月中旬から7月初旬には約1万株のあじさいが線路すれすれに咲き、夜には車内を灯したライトアップ列車が走ります。昼には工学的な遠回りにしか見えないスイッチバックが、暗くなってから乗る理由に化けるんです。

        彫刻の森で降りれば、箱根 彫刻の森美術館は1969年開館、日本で初めての野外美術館です。7万平方メートルの芝生にロダン、ヘンリー・ムーア、ミロら120点超の彫刻が点在し、300点以上を収めるピカソ館まで含めて料金は約¥2,000。芦ノ湖では、757年創建の箱根神社の朱塗り・平和の鳥居が水面に立ち、日本でも指折りの撮影スポットになっています。しかもパスでカバー済みの、あの同じ遊覧船で行ける。もう少し静かなひとときなら、江戸期の東海道の杉並木が湖畔の復元された箱根関所へと続いていて、ツアーバスが素通りする、手で触れられる歴史のひと切れです。日差しに恵まれた日には、箱根ガラスの森美術館の屋外のクリスタル(約¥1,800、登山バスで約20分、パス対象)まで足をのばす価値がありますよ。

          静かな時間帯についての、ひとつの仮説

          最後に、少し天邪鬼な読み方を。箱根という土地の経済はまるごと、あの手軽な80分のロマンスカーと、一日のうちに来て去る5分の4の来訪者でかたち作られています。まだ仮説の域を出ませんが、本当のレバーは経路でもパスでもなく(どちらも、ほとんど選ぶ余地のない一手です)、どこで登りはじめるかではなく、いつ登りはじめるか、ではないか。誰もが同じ湯本の玄関から入り、同じスイッチバック鉄道へ流れ込む。混雑は箱根じゅうに散らばっているのではなく、六つの乗り物の乗り換え地点にだけ、こんもり積み上がっているんです。午前の早いうちに最初の登りを動かしておけば、正午の群れと同じロープウェイに乗り、同じ黒たまごをむき、同じ湖の鳥居を撮れます。ただし、群れ抜きで。ボトルネックは東京からの電車ではついぞなかった。出し抜くと決めた――あのゴンドラの行列だったのですから。

            Good to know

            東京から箱根へはどうやって行きますか? +

            新宿から小田急ロマンスカーに乗れば、箱根湯本まで直通で約80分、しかも全席指定です。急ぎでなければ通常の小田急急行が少し遅く、少し安く、小田原で1回だけ乗り換え。東京駅からなら新幹線で小田原まで約35分、そこから箱根登山線で箱根湯本へ登っていきます。

            箱根フリーパスは買う価値がありますか? +

            ふつうに周遊するなら、ほぼ必ず『あり』です。新宿発の2日間パスは約¥7,100で、往復に加えて登山鉄道・ケーブルカー・ロープウェイ・芦ノ湖の遊覧船・路線バスまでカバー。一本の路線ではなく六つの乗り物に乗るので、たいていロープウェイに着く頃には元が取れていて、しかも改札のたびにきっぷを買う列に並ばずに済みます。ロマンスカーの指定席だけは別料金で、片道約¥1,150〜1,200ですよ。

            混雑を避けるにはいつ行けばいいですか? +

            最初の登りを9時ごろまでに動かし、できれば平日を狙ってみてください。箱根の来訪者はおよそ79.8%が日帰り(2023年)なので、山は一日の潮の満ち引きで満ち、混雑は正午前後の細い乗り換え地点、つまりロープウェイと湖の遊覧船にたまります。東京からの電車ではありません。登山線沿いのあじさい目当てなら、6月中旬から7月初旬が狙い目です。

            所要時間はどれくらいで、日帰りする価値はありますか? +

            新宿から箱根湯本までロマンスカーで約80分、そこから周遊の各区間が積み上がるので、丸一日を見込んでおきましょう。価値が生きるのは、早めに登りはじめ、移動そのものを見どころとして味わう場合です。スイッチバックの鉄道、大涌谷の黒たまご、芦ノ湖の鳥居。遅く着くと、落胆が現実になります。乗り換えの行列で一日を使ってしまうからです。