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江ノ島ENOSHIMA
モデルコース · 半日〜1日

【東京から約65分】夕陽から逆算する江ノ島観光モデルコース

The Enoshima Ohashi causeway crossing the bay to the island
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  1. 数字が教えてくれる、江ノ島観光モデルコースの時間配分
  2. ロマンスカーか各停か、行き方で変わる余白
  3. 地元の人が本当に通う店
  4. チェックリストの先にある体験
  5. 「静かな時間帯」についての仮説
東京から
約65分(ロマンスカー)
路線
小田急線 片瀬江ノ島駅
片道運賃
¥650、特急は約¥1,400
1日の目安
約¥2,500
ベストタイム
夕方から日没にかけて
予約
不要(ロマンスカーは座席指定)

予定をきっちり決めすぎたくない日のおでかけに、江ノ島はちょうどいい島です。新宿から片瀬江ノ島まで、ロマンスカーで約65分、片道は¥650から。改札を抜けると、潮の香りと江ノ電の音がふわりと迎えてくれます。この島の主役は相模湾に沈む夕陽——西を向いた島だから、その一点を先に固定して逆算すると、乗る電車も登る順番も、地下へ潜るタイミングまで、すべてがきれいに決まってしまうんです。

    数字が教えてくれる、江ノ島観光モデルコースの時間配分

    江ノ島は、橋を渡ればぐるりと見渡せてしまう小さな島。それでいて、驚くほど多くの人が集まります。島を抱える藤沢市が2019年に迎えた観光客は、約1,929万人。市の過去最高でした。牽引役はこの島の通年イベントで、外国人だけでも80万人を超えると見られています。コロナ禍が明けた2022年度も、約1,700万人まで戻ってきました。橋一本でつながる細い島に、これだけの人がいちどきに寄せるんです。混んで感じるのも当然、というわけです。

    ここでデータを眺めると、見方が少し変わります。ほんとうの制約は、東京からの距離ではありません。島をどの順で回るか、その一点なんです。動かせない予定がひとつだけあります。島の南端にある岩屋洞窟は、ゴールデンアワーを待たず、夕方には扉を閉じてしまうこと。劇的なフィナーレにふさわしい場所に建っているのに、洞窟を一日の締めには回せません。答えはきれいに出ます。時間に縛られる場所を明るいうちに片づけて、それから西向きの稜線へ登り返し、お目当ての夕陽を迎えればいい。逆算は、ここから始まります。

      ロマンスカーか各停か、行き方で変わる余白

      急ぐか、のんびりか。行き方は大きく二つです。新宿から片瀬江ノ島まで直通で走る小田急ロマンスカー(特急)は、約65分。片道はおよそ¥1,400で、基本運賃¥650に特急料金の約¥750が乗る計算です。この指定席がいちばん効くのは、時間どおりに着きたい往路。復路や、予定にゆとりがある日なら、藤沢で乗り換える通常の小田急線が¥650で十分です。安さと自由さを取るか、確実さを取るか、それだけの違いですよ。

      江ノ電に少しでも乗るなら、「江の島・鎌倉フリーパス」が頼りになります。往復の運賃に江ノ電の乗り放題までセットになった一枚で、江ノ島観光モデルコースの多くは、少しは乗ったほうがいいはず。鎌倉の午前をくっつけるなら、たいていこちらがお得です。そもそも江ノ電は、ただの移動手段ではありません。窓いっぱいに海が広がる腰越から七里ヶ浜の区間、そして鎌倉高校前駅(EN08)の踏切は、『スラムダンク』で名を上げたあの海と電車の景色そのもの。がたごと揺られる時間ごと、この一日の主役のひとつになってくれますよ。

        地元の人が本当に通う店

        江ノ島の看板は、なんといってもしらす。相模湾でとれる、小さな白魚です。ただ正直に言うと、いちばんおいしい姿に出会えるのは季節しだい。つやつやの生しらすが味わえるのは漁が解禁されている間だけで、おおむね3月11日から12月31日まで(1月1日から3月10日は禁漁)。しかも、しけの日はどの季節でも提供が止まることがあります。一杯はおおよそ¥1,000〜1,800ほど。真冬に出会うのは生ではなく釜揚げですが、これはがっかりではなく、ただカレンダーの都合なんです。口の中でとろける生か、ふっくら甘い釜揚げか、その日の海が決めてくれます。

        弁財天へ続く参道沿いに立つとびっちょは、卸業者みずからが営む、島きっての白魚専門店。生も釜揚げも、どちらの丼も味わえます。人気の代償は行列で、混む日には約二時間に達することも。早い時間か、ピークを外した頃を狙うのが正解ですよ。景色ごと味わいたいなら、島の反対側に建つ老舗・魚見亭へ。相模湾を見下ろす屋外テラスが自慢で、潮風に吹かれながらの一杯は、夕陽の時間とも自然に重なります。三代続く江之島はるみは、地元の白魚とサザエを盛った「江ノ島丼」が名物。そして食べ歩きの定番といえば、あさひ本店のたこせんべい。タコを丸ごと一匹プレスして、香ばしく平らに焼き上げた一枚です。参道の入り口近く、これも行列込みの名物として親しまれています。

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          夕陽から逆算するプラン

          同じスポットを、洞窟を先に、光を最後にくるよう並べ替えました。

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          チェックリストの先にある体験

          この島は、写真を撮るための周回コースというより、短い巡礼のつもりで歩くと応えてくれます。まず出迎えるのが江島神社。海と財福、そして芸能をつかさどる女神・弁財天を祀る三社からなり、辺津宮には名高い江島弁天が静かに鎮座しています。上への登りは、有料の江の島エスカー(屋外エスカレーター)が助けてくれますよ。約4分でぐんと高い場所まで運んでくれるので、この先の島歩きに脚を残しておきたいなら、使う値打ちは十分。汗をかく前に、まずは高さをかせいでおきましょう。

          登りきった頂上に広がるのが、サミュエル・コッキング苑。1882年にイギリス人貿易商サミュエル・コッキングが拓いた、約10,000平方メートルの植物園です。その真ん中にすっと立つのが江の島シーキャンドル。高さ59.8メートルを誇る展望灯台で、日本最大級の民間灯台なんです。展望デッキに上がれば、富士山も三浦半島も、遠く大島まで視界に飛び込んできます。そこから地形は、ゆるやかに岩屋洞窟へと下っていきます。岩がちな稚児ヶ淵の磯を踏んだ先に口をあける海食洞で、第一岩屋には仏像と祠が、第二岩屋には伝説の龍が祀られています。暗い区間ではろうそくを手渡され、揺れる炎を頼りに奥へ進むんです。

          どの時間に訪れるかで、出会える江ノ島の顔も変わります。おおむね11月下旬から2月の中・下旬にかけては、日本三大イルミネーションのひとつ「湘南の宝石」が、シーキャンドルとコッキング苑を光でつつみます。1月のチューリップも、寒さの中の思わぬ見どころ。そして冬は、二つのプランがひとつに溶け合う季節です。日が早く落ち、あたりに灯りがともり、ほとんど動かないまま夕景とイルミネーションの両方を味わえてしまうんですから。

            「静かな時間帯」についての仮説

            ここからは、ちょっとした逆張りの読みです。江ノ島が混んで感じるいちばんの理由は、過去最高を更新するほどの人が、たった一本の橋と一本の参道に押し寄せること。ところが同じ事情が、夕方の時間帯をびっくりするほど狙い目にしてくれています。日帰りの人波は昼食と日中の登りに合わせて動いていて、夕食どきに向けてツアーの一団が引き上げはじめると、潮が引くようにすっと静まるんです。ちょうど、西向きの稜線がいちばん美しい光をまとう、その瞬間に。

            ここはまだ仮説の域ですが、理屈はちゃんと通っています。お昼にいちばん人が集まり、いちばんの目玉である夕陽が一日の終わりに待っているのなら、かしこい江ノ島観光モデルコースは、あえて流れに逆らって走るのが正解。早い電車で島に入り、洞窟が開いていて人々が昼食を楽しんでいるうちに南端を片づけてしまいます。そして、シーキャンドルのデッキか崖の上のテラスは、太陽が富士の向こうへ静かに落ちる、その一瞬のために取っておくんです。同じ島を歩いても、ほとんどの人が帰り支度を始めた頃にいちばんいい景色が待っている——そんな一日を、まるごと自分のものにできますよ。

              Good to know

              江ノ島観光モデルコースは1日で足りますか? +

              はい、余裕で足ります。島そのものは徒歩でおよそ半日。神社、シーキャンドル、コッキング苑、岩屋洞窟までぐるりと回れて、ロマンスカーなら新宿から約65分で着きます。鎌倉の午前や七里ヶ浜のビーチ立ち寄りを足せば、ちょうど丸一日の旅になりますよ。コツは、湾に沈む夕陽で一日を締めくくれるよう時間を合わせておくことです。

              江ノ島を回るベストな順番は? +

              夕陽から逆算するのがいちばんです。岩屋洞窟はゴールデンアワーの前に閉まってしまうので、午後の早いうちに済ませておきます。そのあとシーキャンドルと西向きの海辺へ登り返し、一日の終わりの光を迎えましょう。夕陽をいちばん最後に取っておくこと、それがこのルートの肝なんです。

              江ノ島ではいつでも生しらすが食べられますか? +

              いいえ、ここは正直にお伝えしておきますね。生しらすが味わえるのは旬の間だけで、おおむね3月11日から12月31日まで(1月1日から3月10日は禁漁)。しけの日には、季節を問わず提供が止まることもあります。シーズンを外れると釜揚げになりますが、これはこれで滋味たっぷり。一杯の値段は、おおよそ¥1,000〜1,800ほどですよ。

              江ノ島の1日はいくらかかりますか? +

              目安はおおむね¥2,500です。この中に、通常の小田急の往復(片道¥650)としらす丼、それにエスカーやシーキャンドルといった島内の有料スポットまで収まります。ロマンスカーを使うなら往復で約¥1,500をプラス。江ノ電にも乗るなら、「江の島・鎌倉フリーパス」を検討してみてはいかがでしょう。