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モデルコース · 8分で読めます

【東京から約1時間55分】河口湖日帰りモデルコース〜朝の富士山から、雲の日の温泉まで〜

Mt. Fuji behind the Ubuyagasaki peninsula on Lake Kawaguchiko
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  1. 早起きした人から順に、いい景色が当たる町
  2. アクセスの正解は、夜明けの特急にあり
  3. 観光バスが来ない、地元の胃袋が通う店
  4. 定番に飽きたら西湖へ 茅葺きの里と、遅れてやってくる紅葉
  5. 本当の河口湖は、日帰り客が帰ったあとに始まる
東京から
直通約1時間55分(富士回遊)
電車 / バス
特急¥4,130 · 高速バス約¥2,000〜
1日の予算
総額 約¥9,000〜13,000
現地の移動
周遊バス(レッド/グリーンライン)
ベストな時間帯
富士山狙いは6:00〜9:00
予約
特急は往復とも席を確保

富士山を、一度でいいから真正面から見てみたい。そんな願いなら、新宿から直通約1時間55分・特急¥4,130で行ける河口湖が近道です。夜明けの湖畔に立つと、冷たい空気の向こうに山がくっきりと浮かび上がるんです。ただ、全景が見える日はよく「およそ3日に1日」と言われ、確率が高いのは朝のわずか数時間だけ。

実はいま、河口湖は史上いちばん混んでいます。富士河口湖町の2024年の外国人宿泊者数は約75万6,000人、前年比31%増でコロナ前のピークをすでに超えました。それなのに定番プランは、新宿を午前半ばに出て11時ごろ到着、昼食、写真、ロープウェイという流れ。雲が山頂にかかり、バスが立ち客で埋まる時間帯に、ちょうど湖の前へ立つ組み方でもあります。この湖に寄せられる「がっかりした」という声の大半は、ここから生まれているんです。だからこのコースは、一日を逆から組みましょう。有名な構図は10時前に撮り切り、混みあう日中は屋内と食事にあてて、帰りの列車が売り切れる前に静かに引き揚げる。そんな一日です。

    早起きした人から順に、いい景色が当たる町

    町が出している混雑情報を眺めると、答え合わせはあっけないほど簡単です。名指しされているのは週末日中の河口湖駅周辺、今や有名になったローソンの撮影スポット、そして大石公園。おすすめとして挙がるのは、平日と早朝です。直通特急は1日わずか4往復の全席指定で、人気の便は数日前に完売してしまうんですよ。飲食店側の事情も重なります。多くの店は15:00〜17:00に中休み。町の大半が20:00〜21:00でラストオーダーを迎えます。

    結論はひとつ、ぜんぶ前倒しです。眺めがいちばん澄むのは9時前。バスがいちばん空くのは10時前です。11:30に席に着くほうとうは、12:30の45分待ちにきっと勝ちます。この流れに乗った一日は驚くほど軽く回り、逆らった一日は行列に並ぶ時間ばかりが増えていく。早起きの分だけ、景色で返してくれる町なんです。

      アクセスの正解は、夜明けの特急にあり

      新宿からの選択肢は3つあります。本命は特急「富士回遊」。直通約1時間55分・片道¥4,130で、始発に近い便と帰りの席をセットで押さえるのがコツです。晴れ予報の週末は、往復とも売り切れてしまいます。乗り換えを厭わないなら、大月経由が約2.5時間・およそ¥2,500〜3,000で予約不要。バスタ新宿発の高速バスは¥2,000〜2,200前後からと最安ですが、所要約1時間45分のはずが週末の渋滞で3時間近くかかることもあります。

      駅に着いたら、富士急の周遊バス(オムニバス)にバトンタッチ。レッドラインが河口湖北岸方面、グリーンラインが西湖方面をカバーします。2日券は従来¥1,700前後でしたが、当日の料金は窓口で確かめてください。ピークシーズンの日中はこのバスがすし詰めになるので、北岸ならレンタサイクルのほうが速いことも。湖一周でも約20kmですから、湖風を切って走る時間ごと楽しんでしまうのも手です。

      そしてもうひとつ、大事な約束を。東京へ快適に帰れる最終便は、夜ではなく夕方に出ます。晴れの週末や紅葉シーズンは、指定席も帰りのバスも完売。だからこのプランでは、昼食より先に帰りの足を予約するんです。

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        新倉山浅間公園・忠霊塔 五重塔の向こうに、朝の富士山

        Stay 75 min

        河口湖の2駅手前、下吉田駅で降りて約398段の石段を上ります。息が上がったころ、ふり返った先に待っているのが、五重塔と富士山を一枚に収めるあの構図。この地域でもっとも真似された写真でありながら無料で、平日の朝8時なら、まだ近所の公園の静けさに包まれています。鳥の声を聞きながらひと息ついて、それから撮り始めてみては。

        Local tip: 桜と11月の紅葉の時期は、朝7時には展望デッキが混み合います。この期間だけは「日の出に行くか、諦めるか」の二択です。
        富士急行線で下吉田から河口湖まで2駅
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        大石公園 花と湖と富士山が、一枚におさまる北岸

        Stay 70 min

        北岸の無料の花公園に立つと、定番構図の役者が勢揃いします。6月下旬〜7月はラベンダー、10月は真っ赤なコキア、その先に湖、そして富士山。雲が湧きにくいのは午前中なので、光が澄んでいるうちにどうぞ。ひと休みには、河口湖自然生活館のブルーベリーソフトが地元の定番です。近くの小さなベーカリーカフェ「レイクベイク」(Google 約1,160件で4.2★)なら、焼きたてパンの香りが漂うテラスで湖を眺められますよ。

        Local tip: 富士山がすでに隠れていたら、粘らないのが正解。5分先の久保田一竹美術館へ切り替えましょう。着物のコレクションで、外国人観光客が「旅一番の意外な当たり」と口を揃える場所です。
        レッドラインのバスで北岸沿いを戻る
        3

        船津のほうとう 鉄鍋がぐつぐつ運ばれてくる、盆地の昼

        Stay 60 min

        駅から8分、水車が目印の「小作」の暖簾をくぐります。この盆地の人たちが本当に食べているのは、ほうとう。平打ちの小麦麺をかぼちゃと味噌で煮込み、鉄鍋のままぐつぐつと湯気を立てて運ばれてくる一杯です。Google 6,700件超で4.2★という堅実さも心強いところ。有名店はピーク時に30〜60分待ちになるので、11:30までに席に着いてしまいましょう。

        Local tip: 「ほうとう不動」の白い雲のようなドーム店舗は、建築として一見の価値あり。ただしあの支店の評価は3.7★と系列他店より控えめです。建物を眺めに寄って、鍋は別の店で、が賢い使い分けですよ。
        徒歩またはバスで東岸のロープウェイ方面へ
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        午後の分かれ道 空から見るか、湖から見るか、湯に浸かるか

        Stay 80 min

        〜河口湖富士山パノラマロープウェイ〜に乗れば、天上山まではたった3分。眼下に湖がまるごと広がり、その向こうに富士山が立ち上がります。往復¥1,000(8:30〜17:00)。下りは静かな遊歩道を約30分、木漏れ日を浴びながら歩くのも気持ちのいい時間です。湖の上から眺めたい日は、船津浜桟橋発の遊覧船「アンソレイユ号」へ。20分のクルーズが¥1,000で、セット券もあります。山頂が雲に沈んでいるなら、そのお金は隣の鳴沢村「富士眺望の湯 ゆらり」に回しましょう。富士山に向いた16の湯船が並び、平日¥1,400、駅周辺からシャトルも出ています。湯気の向こうに山を待つ午後、それも悪くないですよ。

        Local tip: 14時の雲が、夕暮れ前にふっと晴れることがあります。最後の1時間は予定を入れず、静かな東岸で山を待つくらいがちょうどいいんです。

        観光バスが来ない、地元の胃袋が通う店

        本当の食事処は、ほぼすべて駅周辺の船津に集まっています。北岸はカフェと美術館レストランのエリア、と覚えておきましょう。町で規模を問わず最高評価なのは「てつやき」。夫婦で営むテーブル4卓の鉄板焼き店で、約1,370件のレビューで4.7★です。行列は覚悟のうえで、日曜定休にもご注意を。「手打うどん たけ川」が出すのは吉田のうどん、つまり馬肉の煮込みをのせた強烈にコシのある麺。¥600〜900の昼のみ営業で、町でいちばん安い本物の食事です。「山麓園」は築150年の茅葺き農家で、囲炉裏を囲み、煙の香りごと串を炙るスタイル(4.3★、約1,600件)。どの店も観光バスのルートには乗っていません。むしろ、そこがいいんです。

        あと2軒だけ。駅近くの「富士天ぷら いだ天」は海老と餅の天ぷらセットが看板で(約4,600件で4.2★)、夜には三味線の生演奏が響くこともあります。静かな南岸の「CISCO Coffee」は、地元の人とキャンパーが厚切りトーストとしっかりしたブランチを求めて通う4.6★の店。徒歩よりバスか車で行くほうが現実的なので、帰り道の寄り道候補にしてみては。

          定番に飽きたら西湖へ 茅葺きの里と、遅れてやってくる紅葉

          2つの寄り道が、一日の手触りをがらりと変えてくれます。まずはグリーンラインのレトロバスに25〜40分揺られて、西湖のほとりの「西湖いやしの里根場」へ。約20棟の茅葺き民家を再建した野外集落で、入場は¥500です(9:00〜17:00、3月〜11月)。元の集落は1966年、台風による土砂崩れで埋まり、工芸の里としてよみがえりました。だから線香の煙も和紙漉きの手仕事も、正真正銘の古い建物の中に息づいています。盆地でいちばん静かな有料スポットにして、日帰り客がいちばん時間切れで諦める場所。だからこそ、朝を頑張った日のご褒美にどうぞ。

          季節の読み方も、正直にお伝えしておきます。湖畔のモミジが色づくのは11月上旬から中旬と、多くの人が思うより遅め。梨川沿いに大モミジ約60本がトンネルを作る「もみじ回廊」を中心に、夜間ライトアップつきの紅葉まつりがひと月続きます。9月や10月に来れば、違うけれど本物の景色が待っていますよ。富士山の冠雪はふつう10月に戻り、大石公園のコキアが真っ赤に燃える季節です。いま会いに行くのがどの季節の湖なのか、それだけ知っておけば、旅の景色はずいぶん変わるはず。

            山は姿を見せるか

            一日を賭ける前に、富士山が見える確率をひと目で

            視界が澄むのは夜明けから午前半ばまで、そして寒く乾いた季節です。予報がどんよりしているなら、日程をずらすのもよし、眺望に頼らない一日を組むのもよし。どちらも立派な旅の判断です。

            富士山が見えやすい月を見る

            本当の河口湖は、日帰り客が帰ったあとに始まる

            取材を終えても、頭から離れない組み合わせがあります。過去最高の宿泊者数に、夜明けにだけ味方する眺望。昼に照準を合わせた飲食店と、夕方に出てしまう最終の快適な帰路。河口湖はますます「2日の町」になりながら、「1日の商品」として消費されています。目隠しされたローソンの撮影スポットも、日中のすし詰めバスも、旅人が感じる引っかかりの正体はこのギャップにあるんです。正直に言えばまだ編集部の見立てですが、町の数字も同じ方向を指しています。2024年上半期の施設入込は前年比約112.5%。さらに2024年10月〜2025年3月の外国人宿泊は、なお15.5%増です。需要は減っていません。日帰り客が決して見ない夕暮れと夜明けの側へ、静かに移っているだけなんです。

            この行程を書いてある通りに回れば、良い一日になります。でも、もし一晩を割けるなら、思い切って逆転させてみてください。午後に着いて早めに食べ、湖畔で眠り、朝6:30の湖岸を歩く。張りつめた空気の先に山はくっきりと立ち、起きている人はほとんどいません。かかるのはホテル1泊分。返ってくるのは、日帰り客の大半が知らないうちに取り逃がしているもの——「そこに山が本当にある」という朝の体験です。

              Good to know

              河口湖は日帰りで足りますか? +

              ハイライトだけなら、十分回れます。忠霊塔、北岸、ほうとうランチ、ロープウェイか遊覧船——東京を早朝の列車で出るのが条件です。ただ、富士山が最も確実に見えるのは朝6時〜9時ごろで、日帰りではぎりぎりしか掴めません。眺望が最優先なら、回り方のどんな工夫より、湖畔での1泊のほうが確率を変えてくれますよ。

              東京から河口湖への一番良い行き方は? +

              本命は特急「富士回遊」。新宿から直通約1時間55分・¥4,130です。ただし1日4往復の全席指定なので、往復とも早めの予約を。大月乗り換えルート(約2.5時間、約¥2,500〜3,000)は予約不要です。高速バスは約¥2,000からと最安ですが、週末は渋滞のリスクも頭に入れておきましょう。

              混雑を避けるならいつ行けばいいですか? +

              いちばん混むのは週末の日中です。駅周辺、ローソンの撮影スポット、大石公園、そして11月の紅葉まつり期間中のもみじ回廊は要注意。町も平日と早朝をすすめています。朝10時前に動き出せば、有名スポットでも気持ちよく回れます。

              当日、富士山が隠れていたらどうしますか? +

              よくあることなので、落ち込まなくて大丈夫。山頂は年間のかなりの期間、特に暖かい午後は雲に隠れます。そんな日は「見えない日プラン」に切り替えましょう。久保田一竹美術館、早めのほうとうか吉田のうどん、富士山に向いた湯船のある「ゆらり」(平日¥1,400)、そして湖畔の散歩。夕方近く、日暮れ前にふっと晴れる瞬間に出会えることもありますよ。