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Mt. Fuji viewed from the flower beds of Oishi Park on the northern shore of Lake Kawaguchiko
河口湖KAWAGUCHIKO

【東京から約1時間55分】河口湖観光でやりたいこと!〜ロープウェイからほうとう、富士山正面の温泉まで〜

ガイド · 8分で読めます

Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

湖のほとりに立って、雲がすっとほどけ、富士山が現れる瞬間を待つ。そんな一日が、新宿から直通約1時間55分・片道¥4,130で手に入ります。ただ、くっきりした山に会えるのは「およそ3日に1日」、しかもチャンスは早朝にほぼ限られるのが正直なところ。それでも2024年の富士河口湖町は、外国人宿泊者数が約75万6,000人と、前年比31%増の過去最高を記録しました。

この記事の内容
  1. 見える時間と混む時間は、数字がぜんぶ教えてくれる
  2. 富士山が隠れた日も裏切らない、湖畔の実力派スポット
  3. 行きより帰りが勝負どころ。アクセスのつまずきポイント
  4. 地元の人が通う店で、湯気ごといただく郷土めし
  5. 定番の先にある、薪の煙と湯けむりのご褒美
  6. 間違っているのは「日帰り」のほうかもしれない
東京から
直通で約1時間55分
アクセス
特急「富士回遊」または高速バス
1日の予算
交通費込みで約¥10,000–14,000
滞在
日帰りも可 · 1泊がベター
富士山が見える確率
朝6:00–9:00 · 冬がベスト
予約
特急と帰りのバスは事前予約を

コロナ前のピークだった69万2,000人を超える人出が、昼にはたいてい雲に隠れる眺めをめがけて集まっている——そう聞くと、少し不安になりますよね。でも、だからやめておこう、という話ではないんです。山が一度も姿を見せなくても楽しい一日を先に組んでおいて、晴れた朝が来たら「もうけもの」として受け取る。河口湖は、そのくらいの構えで歩くのがちょうどいい土地ですよ。

    見える時間と混む時間は、数字がぜんぶ教えてくれる

    雲は、日が高くなるにつれてもくもくと湧いてきます。東京をのんびり出て11:00〜15:00に着く日帰りだと、ちょうど山が隠れる時間帯への到着になってしまうんです。人の波もほぼ同じ動きで、週末の日中は河口湖駅周辺、有名な「ローソン撮影スポット」、大石公園が混み合うと、町が公式に注意を呼びかけているほど。つまり何も考えずに立てた計画は、「いちばん見えない時間」と「いちばん混む時間」を同時に引き当てやすいというわけです。

    季節のずれも、初めてだと想像以上に大きいもの。富士山の冠雪は例年10月に戻り、湖畔の紅葉の見頃は11月上旬から中旬と、多くの観光地よりずっと遅めです。9月下旬にモミジを期待して行くと、出迎えてくれるのはコキアとススキ。モミジの本番は11月で、中心になるのが「富士河口湖紅葉まつり」です。もみじ回廊と呼ばれる約150mの大モミジのトンネルが夜はライトアップされ、約1か月ものあいだ湖畔をあたたかく照らしてくれますよ。

      富士山が隠れた日も裏切らない、湖畔の実力派スポット

      • 大石公園:北岸の花畑ごしに湖と富士山を望む、定番中の定番。朝の早い時間はやわらかな光に包まれて、しかも無料です。6月下旬〜7月はラベンダー、10月は真っ赤なコキアに合わせて訪ねてみては
      • 〜河口湖〜富士山パノラマロープウェイ:ゴンドラに揺られること3分、天上山の上までふわりと運ばれます(往復¥1,000、8:30–17:00)。おすすめは上りだけ乗って、下りを約30分のハイキングにするコース。三ツ峠方面へ足を延ばせば、静かな展望をひとり占めできますよ
      • 遊覧船「アンソレイユ号」:船津浜桟橋から湖風に吹かれる20分の船旅(¥1,000、約30分間隔)。湖の真ん中まで出ると、尾根の上にすっと富士山が抜けて見える瞬間が待っています
      • 久保田一竹美術館:北岸の森にひっそりと佇む、ガウディを思わせる建築。幻の染色技法「辻が花」を蘇らせた着物の輝きに、思わず息をのみます。海外の旅行者レビューで「意外な大本命」と評され続ける一館で、もみじ回廊からは徒歩5分。曇りの日の切り札にどうぞ
      • 新倉山浅間公園・忠霊塔:五重塔と富士山が重なる「あの絵はがき構図」の場所です。正確には富士吉田市で、富士急行線で2駅先。約398段の階段を息を弾ませながら上った先に、あの眺めが広がります。無料なのもうれしいところ。日の出と紅葉シーズンは混み合うので、朝いちばんが狙い目です

      行きより帰りが勝負どころ。アクセスのつまずきポイント

      特急「富士回遊」なら新宿から乗り換えなし、約1時間55分・片道¥4,130で湖畔に立てます。ただし1日4往復のみの全席指定で、人気の便は数日前に売り切れてしまうんです。バスタ新宿発の高速バスは約¥2,000–2,200と節約派の本命で、時刻表の上では所要もほぼ互角。とはいえ週末の中央道は渋滞しがちで、2時間の道のりが3時間近くに延びる日もあります。どちらを選ぶにせよ、帰りの便だけは必ず事前予約を。東京へ戻る実用的な最終便は夕方から夜の早い時間までと、多くの人が思うより早く終わってしまいます。

      町に着いたら、湖を巡る観光バス「オムニバス」が基本の足になります。河口湖畔を回るレッドラインと西湖方面のグリーンラインの2系統ですが、ハイシーズンの日中は立ち乗りが当たり前の混みようです。北岸だけならレンタサイクルのほうが速いことも多く、湖一周は約20km・ほぼ平坦。湖風を切って走れば、移動そのものがちょっとした観光になってくれますよ。

        地元の人が通う店で、湯気ごといただく郷土めし

        ご当地グルメは、寒い土地ならではの湯気の立つものばかりです。カボチャと味噌でくつくつ煮込む平打ち麺「ほうとう」と、馬肉とすりだねの辛味が効いた強烈なコシの「吉田のうどん」が二枚看板。ほうとうなら駅近くの「甲州ほうとう小作」(Googleレビュー6,789件で4.2★)が堅実な選択です。白いドーム型の建物で有名な「ほうとう不動 東恋路店」は評価3.7★と系列の他店舗より低めで、つまり皆さん、麺ではなく建築を目当てに選んでいるわけですね。

        静かな実力店は、小さな店にぎゅっと集まっています。夫婦2人で切り盛りする、4卓だけの鉄板焼き「鉄焼」。レビュー数のある店では町内最高評価です(1,374件で4.7★)。鉄板の音を聞きながら並ぶ行列は覚悟のうえで、日曜定休にだけご注意を。「たけ川うどん」は¥600–900と界隈でいちばん安く本物の食事ができる店で、営業は昼のみです。「山麓園」は築150年の茅葺き民家の囲炉裏で、自分で串を焼くスタイル。立ちのぼる煙の香ばしさまでごちそうのうちです(4.3★、1,666件)。ひとつだけ覚えておきたいのは、多くの店が15:00〜17:00に中休みを取り、20:00には店じまいすること。夕日まで湖畔で粘るなら、夕食は早めに済ませておくのが安心ですよ。

          行き方から調べるなら

          まずは河口湖アクセスガイドを

          富士回遊と高速バスの選び方、指定席予約の落とし穴、実際にかかる費用まで。先に読んでおけば、当日の迷いがひとつ減りますよ。

          河口湖への行き方を読む

          定番の先にある、薪の煙と湯けむりのご褒美

          バスでもう少し足を延ばす価値のある体験が、2つあります。ひとつは「西湖いやしの里根場」。グリーンラインで25〜40分の距離にある、約20棟の茅葺き民家の村です。1966年の台風による土石流で失われた集落を再建した場所で、薪の煙の匂いに包まれながらのクラフト体験と、湖畔より格段に少ない人出が¥500で手に入ります。もうひとつは、隣の鳴沢村にある日帰り温泉「富士眺望の湯 ゆらり」(平日¥1,400、土日祝¥1,700)。露天風呂が富士山に真正面から向いていて、寒い朝の観光でこわばった体が、お湯の中でゆっくりほどけていきます。正直、このエリアでいちばん元の取れる1時間だと思いますよ。

            間違っているのは「日帰り」のほうかもしれない

            この町の混雑騒動の正体は、要するに「みんなが同じ数時間に集まってしまう」ことです。象徴になったのが、2024年に「富士山ローソン」の撮影を遮るために設置され、以来設置と撤去を繰り返している黒い幕。何千人もの人が、同じ昼の数時間に、同じ一枚の画を追いかけているんですね。ところが統計をのぞいてみると、過去最高の人出を引っぱっているのは日帰りではなく、宿泊のほう。旅の組み立て方そのものが、静かに変わり始めているのだと思います。泊まった人は、6:00〜9:00の晴れ間と、誰もいない湖畔の朝と、店が閉まる前のあたたかい夕食を手に入れる。日帰りの人は、雲に覆われた残りの時間を分け合うことになります。もし1泊の余裕があるなら、河口湖は運まかせの一発勝負から、分のいい賭けに変わりますよ。

              よくある質問

              河口湖観光には何日必要ですか? +

              丸1日あれば、大石公園、ロープウェイ、新倉山浅間公園(忠霊塔)はひと通り回れます。ただ、富士山がいちばんくっきり見えるのは朝6:00〜9:00頃で、東京からの日帰りではこの時間に間に合わないんです。日数を足すより、日帰りを1泊に変えるほうがずっと効きますよ。

              富士山が見えなくても河口湖は行く価値がありますか? +

              主役が隠れると寂しいのは事実ですが、それでも行く価値はあります。久保田一竹美術館、ほうとうのランチ、根場の茅葺き集落、日帰り温泉ゆらりを組み合わせれば、曇りの日でも満ち足りた旅程になりますよ。予報がべた曇りで日程に融通が利くなら、思い切って日にちをずらすのが正解です。

              河口湖観光のベストシーズンはいつですか? +

              富士山をくっきり見たいなら、冬の朝がいちばんです。紅葉なら11月上旬から中旬と日本の多くの地域より遅く、ちょうど、もみじ回廊の紅葉まつりが開かれる頃。6月下旬〜7月には大石公園のラベンダーも加わります。どの季節でも、週末の日中を外すのが賢い歩き方ですよ。

              河口湖の日帰り旅行の費用はいくらですか? +

              1人あたりおよそ¥10,000–14,000が目安です。往復交通費は電車かバスかで¥4,000–8,300、そこに周遊バスのフリーパスとロープウェイ¥1,000が加わります。食事はほうとうや鉄板焼きで¥1,500–2,500ほど。湖そのものと主要な展望スポットの多くが無料なのは、うれしいところです。