Home / kawaguchiko / day-trip
日帰り旅 · 読了9分

【東京から約2時間】河口湖へ日帰り旅!富士山が見える朝に賭ける一日〜ほうとうの名店から曇りの日の温泉まで〜

Mt. Fuji viewed from the flower beds of Oishi Park on the northern shore of Lake Kawaguchiko
On this page
  1. 勝負は朝9時まで。雲より先に湖へ着く
  2. バスと特急、編集部の正直ジャッジ
  3. 湯気の立つ鉄鍋へ。地元の人が本当に通う店
  4. 山が隠れた午後こそ、町の底力の見せどころ
  5. そもそも日帰りでいいのか、黒い幕が投げかけた問い
東京から
1時間45分〜2時間
ベストルート
バスタ新宿から高速バス
1日の予算
約¥6,000〜8,000
現地の移動
周遊バス(オムニバス)
富士山の見える確率
朝6〜9時・冬が最良
予約
バスは往復とも事前に

「今週はよくがんばった」と自分をねぎらいたい週末に、湖越しの富士山ほど効く景色はそうありません。河口湖なら、新宿からバスに約2時間揺られて片道約¥2,000。人気は本物で、富士河口湖町の2024年の外国人宿泊者数は約75万6,000人(前年比31%増)と過去最高を更新しました。ところが主役の富士山は、地元で「全体がきれいに見えるのはざっくり3日に1日、しかもほとんどが早朝」と言われる気まぐれ屋——だからこの記事では、山が見える確率の高い朝へ、一日をまるごと寄せて組み立てます。

    勝負は朝9時まで。雲より先に湖へ着く

    まずは時間の計算から。新宿からのバスは約2時間かかるので、早起きしたつもりでも、河口湖駅に降り立つのは午前の半ばから遅めになりがちです。いっぽう富士山がいちばん機嫌よく姿を見せるのは、空気の張りつめた朝6時から9時のあいだ。地面が暖まるにつれて山頂に雲が湧くため、暖かい季節に午前11時〜午後3時に着いた人が、結局一度も山に会えないままなんてことも珍しくないんです。救いは冬。12月〜2月の乾いた空気は、山頂を一日のうちで最も長く見せてくれますよ。

    そう考えると、大事なのは「河口湖で何を見るか」より、「山がたいてい隠れてしまう11時以降に何をするか」。朝6時にライブカメラをのぞいて、乗れるかぎり早い便へ。着いたら最初の数時間は湖畔や大石公園からの眺めに使い切って、天気に左右されない町の楽しみ(グルメ、美術館、温泉)は午後に取っておきます。この順番さえ守れば、たとえ曇っても、ちゃんといい一日になるはずです。

      バスと特急、編集部の正直ジャッジ

      最安はバスタ新宿発の高速バス。河口湖駅まで直行で約1時間45分〜2時間、片道約¥2,000〜2,200で、たいていの場合はこれで十分です。ただし弱点がひとつあります。週末の中央道は渋滞で所要3時間近くまで延びることがあり、そうなると、富士山がいちばん映える朝の時間を座席の上で使い果たしてしまうんです。

      鉄道派には特急「富士回遊」を。新宿から河口湖まで直通約1時間55分、片道¥4,130です。1日4往復・全席指定で、人気の便は数日前に売り切れてしまうほど。運賃はバスの2倍でも渋滞とは無縁なので、紅葉シーズンの週末ならこちらが賢い買い物ですよ。どちらを選ぶにせよ、帰りの便も必ず予約を。現実的に使える最終便は夕方には出てしまい、河口湖の一日は思っているより早く暮れます。

      現地の足は、富士急の周遊バス「オムニバス」。北岸を回るレッドラインと、西湖方面へ向かうグリーンラインが観光スポットを結び、フリーパスは駅で買えます(従来2日間約¥1,700。現地で要確認)。ただしハイシーズンの日中は満員で立ち乗りになることも多いので、北岸だけなら、湖風を切って走るレンタサイクルのほうが速い場面も少なくありません。

        湯気の立つ鉄鍋へ。地元の人が本当に通う店

        この土地の名物は、冷たい湖風のためにあるような料理ばかりです。かぼちゃと平打ち麺を味噌でぐつぐつ煮込み、鉄鍋のまま湯気ごと運ばれてくる「ほうとう」。馬肉の煮込みとピリ辛の薬味「すりだね」を添えた、強烈なコシの「吉田のうどん」もいい勝負です。ひとつだけ注意点を。飲食店のほとんどは駅周辺の船津地区に集まり、多くの店が15〜17時に中休み、21時までに閉まります。夕日を眺めてから夕食、と考えていると選択肢が一気に細るので、Googleの評価まで確認した信頼できる店を先に挙げておきますね。

        • 鉄焼(Tetsuyaki)は、夫婦2人で切り盛りする4卓ほどの小さな店。鉄板の上でじゅうじゅうと音を立てる照り焼きチキンとガーリックチャーハンが名物です。規模のある店では町いちばんの高評価で、その証拠が1,374件のレビューで4.7★という数字。行列は覚悟のうえで訪ねてみては(日曜定休)。
        • 小作(Kosaku)は、大きな水車が目印の、駅から8分のほうとうの店。定番は、味噌のこくにかぼちゃの甘みがほどけるかぼちゃほうとうです。町の顔だけあって6,789件のレビューが集まり、評価は4.2★。ランチのピークは30〜60分待ちもあるので、時間を少しずらすのが正解ですよ。
        • ほうとう不動(東恋路店)は、メニューがほうとう一品だけという潔さ。建築家・保坂猛が手がけた白い雲のようなドームの中、天井の丸みに吸い込まれるような空間で味わえます。4,290件のレビューで3.7★と系列他店より低めなので、目当ては器より建築と割り切って訪ねるのがおすすめです。
        • たけ川うどんは、地元の人がふらりと通う吉田のうどんの店。約¥600〜900で、町でいちばん安くまともな食事にありつけます。996件のレビューで4.0★。昼のみの営業で早々に売り切れるので、狙うなら早めの時間に。
        • コーヒー党は、静かな南岸のCISCO Coffeeへ。厚切りトーストと、店内に香ばしく漂う本格コーヒーが待っています(4.6★・955件)。北岸を歩く日なら、大石公園そばのLake Bake(4.2★・1,161件)を覗いてみては。
        予約の前に

        そもそも富士山、今日は出ている?

        ライブカメラをのぞけば、山頂のいまがリアルタイムでわかります。朝6時に5分だけ確認する。この小さな習慣が、絵はがきのような一日と、雲を2時間眺める一日の分かれ目なんです。

        ベストタイミングのガイドを見る

        山が隠れた午後こそ、町の底力の見せどころ

        午後は、天気に賭けない時間にしましょう。ここから挙げるのは、山が見えても見えなくても楽しめる場所ばかりですよ。

        • 〜河口湖 富士山パノラマロープウェイ〜は天上山へたった3分、往復¥1,000。上りはロープウェイで富士山正面の展望デッキへ、下りは木立の匂いに包まれながら30分歩いて降りるのがおすすめです。
        • 久保田一竹美術館では、「辻が花」染めの着物を、ガウディを思わせる建築ごと堪能できます。木々に抱かれた北岸にあり、入館料は約¥1,500〜1,800(公式サイトで要確認)。海外からの旅行者のレビューでは意外な一番人気なんです。
        • 富士眺望の湯 ゆらりは、隣の鳴沢村にある富士山を正面に望む露天風呂。平日¥1,400/土日祝¥1,700で、駅からシャトルバスも出ています。冷えた11月の一日の締めくくりには、体が指先からほどけていくこの湯がちょうどいいですよ。
        • もみじ回廊は、北岸に約150mつづく大もみじのトンネル。頭上を約60本の枝が覆い、見上げれば視界がまるごと赤に染まります。紅葉まつりは11月いっぱい開催され、湖畔の色づきのピークは多くの人の想像より遅めです。
        • 新倉山浅間公園の忠霊塔は、五重塔と富士山をひとつのフレームに収める、あの構図の場所。富士急行線で2駅、398段の階段を上りきった先に待っています。無料ですが紅葉シーズンの日の出どきは大混雑するので、静けさが欲しい日は時期か時間をずらしてみては。

        そもそも日帰りでいいのか、黒い幕が投げかけた問い

        この町で近年もっとも有名になったランドマークは、実はコンビニです。駅の向かいの、通称「富士山ローソン」。1枚の写真を求める人波がゴミの投げ捨てや危険な道路横断を招き、2024年、行政はついに黒い幕を張りました。この騒動と、宿泊者数の前年比31%増。ふたつを並べると、昼に着いて1枚撮って帰る河口湖は、この町のいちばん残念な過ごし方なのかもしれません。正直に言えば、眺めこそが目的なら、いちばん効くのはプランの工夫ではなく宿です。1泊して朝6時半、水面が静まり町が目覚める前に、朝日に照らされた山頂を北岸から眺める。ここまでやれば、見える確率の心配はほとんどいりません。どうしても日帰りしかできないなら、冬の早朝に。そして山はあくまでボーナスと割り切って、見えなくても成立する一日を組んでみてください。

          Good to know

          河口湖は東京から日帰りで行く価値がありますか? +

          過度に期待しなければ、十分にありますよ。湖と、鉄鍋のほうとうと、美術館。それだけでも約2時間の移動に見合います。ただ、富士山の全体が見えるのは「3日に1日程度」と言われるほど少なく、しかもほとんどが午前の早い時間なんです。出発前にライブカメラを確認して、早朝に動くこと。眺めがすべてなら、朝6〜7時を狙える1泊のほうが、どんな日帰りプランにも勝ります。

          東京から河口湖への最安の行き方は? +

          バスタ新宿発の高速バスです。片道約¥2,000〜2,200、所要1時間45分〜2時間で河口湖駅に直行します。予約は必ず往復とも事前に。帰りの便は週末や紅葉シーズンに売り切れますし、週末の高速道路は渋滞で所要3時間近くまで延びることもあるんです。特急「富士回遊」(¥4,130・約1時間55分)は割高ですが、渋滞とは無縁ですよ。

          河口湖から富士山がいちばんよく見えるのはいつ? +

          早朝、おおむね6〜9時です。日中の気温が上がるにつれて、山頂には雲が湧いてしまいます。季節でいえば冬(12月〜2月)が最良で、乾いた空気の先に雪をかぶった山頂が期待できますよ。夏はもやで数日間まったく見えないことも。なお冠雪が戻るのは例年10月頃、湖畔の紅葉の見頃は11月上旬〜中旬です。

          混雑を避けるコツは? +

          週末の日中を外すことです。町自体が混雑のピークとして挙げている時間帯で、特に河口湖駅周辺、例のローソンの撮影スポット、大石公園、そして11月の紅葉まつり期間の週末のもみじ回廊は要注意。平日や早朝なら、驚くほど静かになりますよ。ローソンの1枚はいっそ諦めて、より静かな構図を探すほうが、楽なうえに地元にも優しい選択です。