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川越KAWAGOE
モデルコース · 半日〜一日

【池袋から約30分】川越 観光 モデルコース〜人の波を先回りして歩く、蔵の町の一日〜

kawagoe, Japan
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  1. 近場の日帰りの町だから、時間割がすべてを決める
  2. 電車で約30分、混雑カーブを味方につける入り方
  3. 地元の人が昼に頼る、うなぎという看板
  4. 蔵造りの通りの、その先にある二つの寄り道
  5. 静かな時間こそ、いちばんの穴場
東京から
約30分(池袋発)
路線
東武東上線・快速急行
運賃
片道 約¥490
きっぷ
川越割引きっぷ 往復 約¥710
ねらい目
平日・午前10時前
予約
不要(うなぎは行列)

遠くまで行く元気はないけれど、ちゃんと旅した気分にはなりたい。そんな週末にちょうどいいのが川越です。池袋から東武東上線でおよそ30分、片道は約¥490。蔵造りの通りに一歩入ると、黒漆喰の壁がひんやりと陽を吸い込み、路地の奥からは芋を蒸す甘い湯気が漂ってきます。驚くのは、その朝の静けさ。年間およそ500万〜700万人が訪れる町とは、とても思えません。2022年の来訪者はおよそ5,509,000人、うち海外からは約99,000人。しかも川越市はこれを、スマートフォンのGPSデータをもとに一番街・氷川神社・喜多院・伊佐沼の4エリアに分けて数えています。この細かさが効いてくるのは、川越の人出が場所ごと時間ごとに大きくかたまるから。良い川越の一日は、その波を先回りし続けることに、ほとんど尽きるんです。

この混雑は本物で、しかも戻りが早いのが川越の強さです。コロナ禍でいちど来訪者は半分近くまで落ち込み、2021年は約392万人。それでも以前の天井に向けて、着実に客足は返ってきました。そこへイベントが重なると、人出は一気に跳ね上がります。10月の川越まつり(山車行事)は、2023年だけで約561,000人、2024年は73万人超を集めました。だからこのモデルコースは、その数字が示すとおりに組んであります。狭くて写真映えする蔵造りの通りを真っ先に歩き、開けた寺社の境内や食べ歩きは、日帰り客が押し寄せる時間帯へ回す。そういう順番です。

    近場の日帰りの町だから、時間割がすべてを決める

    川越は、どこまでも近場の日帰りの町です。その需要は、遅めの午前に東京から着いて、夕食前には帰る人たちで形づくられている。この一点を押さえるだけで、プランのほとんどが決まってしまいます。最大のボトルネックは、一番街の蔵造り通り。GPSのカウンター、着物姿の人波、バスツアーが、午前も遅くなると一本の細い道へ一斉に流れ込みます。それが平日の午前10時前なら、通りはまだ普段どおりの生活道路。掃き清められて静かで、蔵のシャッターがちょうど上がり始めるころです。同じ道が、週末の正午には身動きの取りにくい人混みに変わります。

    歩いていて実感するのは、川越の一日が「鐘」できれいに割れることです。時の鐘は、1893年の川越大火のあと1894年に建て直された木造の塔。いまも時を告げるのは一日に4回、朝の6時と正午、午後の15時と18時に、低く長い音が町へ響きます。これを名物として眺めるのではなく、自分の時間割として使ってみてください。正午の鐘を塔の真下で聞いているなら、混み合う通りはもう「空いている時間」に歩き終えているはず。550万人という数字は、あくまで年間の平均にすぎません。10月のある土曜日に肌で感じる密度は、まるで別ものですよ。

      電車で約30分、混雑カーブを味方につける入り方

      池袋からは、東武東上線の快速急行で川越駅までおよそ27〜30分、片道は約¥490。文字どおり30分の距離ですから、早出の習慣もさほど苦になりません。東武の「川越割引きっぷ」は往復で約¥710をまかなうので、行きに買っておくほうが計算上はお得です。新宿方面からなら、西武新宿線の特急で本川越駅までおよそ57分、約¥520が目安になります。

      混雑カーブを味方につけるルートは、駅を出て、ぐるりと回って戻ってくる一方通行です。まずは蔵造りの通りと時の鐘を、まだ静かなうちに歩く。通りが埋まってきたら氷川神社と喜多院へ流れ、最後に菓子屋横丁を抜けて食べ歩きに戻ります。午前はずっと日帰りの流れに逆らって動き、みんなが行きたい場所へ、みんなより先に着く。目標は、11時ではなく9時半に一番街にいること。この90分が、一日のすべてを分けます。

        地元の人が昼に頼る、うなぎという看板

        川越の偽らざる看板料理は、うなぎです。淡水のうなぎを江戸前の流儀でさばき、ご飯の上でこうばしく焼き上げる。時の鐘のすぐ近くで適当に済ませるより、これを軸に昼を組む値打ちがあります。川越はうなぎをおよそ200年ふるまってきた町で、その歴史を支える老舗が何軒もあるんです。1807年創業の小川菊(おがきく)は蔵造りの通りのそばにあり、炭火で焼くうな重を昔ながらの味で。本川越から約16分、大正期の町家に入る「うなっ子(うなしょう)」は、うなぎをご飯ごと蒸籠で蒸す「せいろ蒸し」で知られます。そして地元の人が昼に頼りにするのが「林屋」。漆塗りの箱に収まった蒲焼きは、町でも指折りの一枚ですよ。

        ただしうなぎの店は、まさに避けたいあの混雑カーブに沿って行列ができます。だから少し早めか、少し遅めに食べる。通りとまったく同じ理屈です。電車を降りてすぐ腹ごしらえをしたいなら、「うなぎ の 成瀬」川越店が駅から約3分。モダンな空間で、腹をすかせた到着直後の実用的な一手になります。腰を落ち着けるより歩きながらつまみたい日は、菓子屋横丁が正解。蔵の近くに古い駄菓子屋が軒を連ねる小径で、さつまいもを使ったいも恋、さつまいものチップス、さつまいものソフトクリームと、芋菓子がずらりとそろいます。これは食事ではなく、歩きながらのおやつですね。

          蔵造りの通りの、その先にある二つの寄り道

          川越を「一本の通りの撮影」で終わらせたくないなら、寄り道する値打ちのある場所が二つあります。ひとつめは喜多院。町でいちばん重要な寺で、江戸城の建物が現存する唯一の場所です。三代将軍・徳川家光ゆかりの部屋が、火事のあとこの地へ移築されました。その裏手に控えるのが、五百羅漢の一群。釈迦の弟子たちの石像が540体、一体ずつ違う顔と姿で並んでいます。正直に言えば、蔵造りの通りではかなわない「ゆっくり眺める」楽しみがあって、しかも人通りはごくわずか。静けさに包まれて、一体一体をのぞき込みたくなりますよ。

          ふたつめは、季節もの。おおよそ7月上旬から9月中旬にかけて、1500年の歴史をもつ縁結びの氷川神社が、2,000個を超える色とりどりの江戸風鈴を「風鈴回廊」に吊るします。2014年に始まって以来、毎年およそ100,000人を集めてきた夏の名物です。風のない午後には、その音そのものが主役。何百もの小さなガラスが一斉に鳴り、その下で願いを書いた短冊がひらひらと揺れます。この界隈をもっと深く味わうなら、着物を借りて一番街・時の鐘・菓子屋横丁をもう一度歩いてみては。通りがふたたび空いて、蔵の壁に光が温かく差す夕方遅めが、いちばんのおすすめです。

            駆け足で回りたい日に

            もっと短い半日ルート

            同じ混雑の理屈を、三つの必訪スポットに凝縮しました。

            半日ルートを開く

            静かな時間こそ、いちばんの穴場

            データを眺めるほど、編集部がくり返し引き寄せられる読みがあります。川越は「昼の日帰り客」に寄りすぎていて、だからこそ早朝と夕方が狙い目だ、という読みです。町全体が、遅めの午前に着いて18時の鐘までに帰る人の流れの上で回っている。裏を返せば、早朝と夕暮れは、その良さのわりに人が来なさすぎる時間帯なんです。シャッターの上がったばかりの午前9時の蔵造りの通り、ほぼ独り占めの羅漢の一群、午後5時に低い西日を受ける蔵の壁。同じ看板スポットが、密度だけをぐっと下げて、日帰りのリズムを少し崩す気さえあれば誰にでも開かれています。川越市はスパイクの手なずけ方も学びつつある。あの祭りの数字、続けざまの10月の561,000人と73万人こそ、そもそもGPSカウントが生まれた理由です。本当の川越攻略は、どのスポットを選ぶかではありません。どの時間を自分のものにするか、なんです。

              Good to know

              川越観光は一日で十分ですか? +

              むしろ余裕で足ります。池袋から東武東上線でわずか27〜30分、旧市街もコンパクトで道は平坦です。半日あれば蔵造りの通り、時の鐘、菓子屋横丁、氷川神社をひと巡り。一日とれば、喜多院の羅漢の一群、うなぎの昼、そしてゆったりした着物散歩まで加わります。ネックは距離ではなく混雑ですから、1時間長くいるより、1本早い電車で出るほうがずっと効きますよ。

              混雑を避けるなら、いつ行くのがいい? +

              週末より平日、そして何よりも開店直後の数時間が、すべてに勝ります。午前10時前に一番街へ着けば、まるで別の通りですよ。静けさが目当てなら、10月の第3週末だけは外してください。川越まつり(山車行事)は、2024年だけで73万人超を集めた特別な日です。氷川神社の夏の風鈴シーズン(およそ7月から9月中旬)はにぎわいますが、人出が一日を通して散らばるので、思うほど窮屈にはなりません。

              川越の一日はいくらかかりますか? +

              驚くほど安く上がります。東武の「川越割引きっぷ」は池袋からの往復を約¥710でまかない、寺の拝観は数百円ほど。しっかりお金をかける価値があるのは、うなぎの昼だけです。うなぎは、決して安い食べものではありませんから。菓子屋横丁の食べ歩きは小銭で足りて、ゆったり過ごした一日でも、一人あたり数千円台に収まります。ここで希少なのは、お金よりも時間のほうなんです。

              本当に行く価値はある? 写真映えする通りが一本あるだけ? +

              通りの先まで足をのばすなら、価値は十分にあります。一番街の蔵造りの並びは確かに写真映えしますが、意外なほど短く、混んだ日には一本の詰まった回廊のようにも感じられます。一日を実らせてくれるのは、その先。200年の歴史をもつうなぎの店、喜多院の540体の羅漢像、そして氷川神社の季節限定の風鈴です。時の鐘で引き返してしまうと、そのどれにも出会えません。だからこそ、鐘の先へ半歩だけ踏み出してみてはいかがでしょう。