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横須賀YOKOSUKA
ガイド · 7分で読めます

横須賀観光の楽しみ方——軍港と、ネイビーバーガーと、猿島を地元目線で読む

yokosuka, Japan
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  1. 横須賀は何が違うのか——そして、あのグルメの正体
  2. アクセスと、賢いまわり方
  3. チェックリストの先にある体験
  4. どぶ板通りを、正直に読む
  5. 静かな時間帯——ひとつの仮説として
東京から
1時間未満 · 品川から京急
雰囲気
現役の米軍・海自の軍港
食べる
ネイビーバーガーとネイビーカレー
猿島 · 往復¥1,300
ベストシーズン
5〜6月、9月下旬
予約
不要(渡船は1時間おき)

まず一つの年号から始めましょう。それだけで、横須賀観光の見え方がだいぶ変わるからです。明治5年、1872年。ここの海軍基地は、水兵の脚気(かっけ)対策としてイギリス式のカレーを取り入れました。美食のためではなく、糧食(りょうしょく)としての判断です。その味を、街は1999年に地元ブランドとして復活させました。もとになったのは1908年の海軍のレシピ本でした。この一行の歴史が、街全体を読み解く鍵になります。横須賀でやる価値のあることは、そのほとんどが「現役の軍港が、食べたり・乗ったり・歩いたりできる形にそっと変わったもの」なのです。東京から1時間の、絵はがき的にきれいな日本ではありません。個性を自分で稼いでいる街であり、コツは、どこが本物でどこがお土産屋さんなのかを見分けることにあります。

    横須賀は何が違うのか——そして、あのグルメの正体

    現地を歩いて気づくのは、横須賀の看板メニューがマーケティングで作られた架空の料理ではなく、きちんと「ライセンスされたもの」だということです。よこすかネイビーバーガーは、フランスパンのバンズに、粗挽き100%ビーフの分厚いパティをはさんだもの。戦後、米海軍のメス(食堂)文化から受け継がれた一皿です。このバーガーとチェリーチーズケーキのレシピは、米海軍横須賀基地から地元の飲食店へ直接渡されました。だからこそ、ここのものは「日本風にアレンジしたアメリカ」ではなく、1950年代のアメリカのダイナーそのものの味がするのです。

    この出どころこそ、食事を計画するうえで軸にすべきものです。どぶ板通りにあるTSUNAMIは、ネイビーバーガー・ネイビーカレー・チェリーチーズケーキの三種を一度に味わえる数少ない店で、昼食が一回きりなら重宝します。1968年創業で、食べログの「ハンバーガー百名店」にも入るHONEYBEEは、同じ三種で「横須賀グルメプレート」を組み立てています。YOKOSUKA SHELL(横須賀シェル)は、基地から提供されたバーガーとニューヨークスタイルのチーズケーキのレシピを、ネイビーカレーと並べて出しています。正直な注意点を一つ。これらは水兵向けの、ボリュームたっぷり・高カロリーな一皿です。コンビネーションプレートは二人で分けても、じゅうぶんお腹いっぱいになります。

      アクセスと、賢いまわり方

      行き方は簡単な部分です。品川から京急本線で、横須賀中央まで1時間かかりません。主な見どころは、そこから徒歩か短い路線バスの範囲に収まります。JR横須賀線という手もあり、東京駅から横須賀駅まで約1時間20分。ただ、どぶ板通り・三笠の海沿い・渡船の桟橋を軸に一日を組むなら、京急の横須賀中央のほうが中心に近くて動きやすいです。

      この一日が求めてくるのは、見どころのリストではなく、一枚の時刻表を軸にした組み立てです。猿島への渡船は三笠桟橋から1時間おき。始発は8:30、最終の帰りは17:00で、行きは毎時:30発・帰りは:45発、渡り時間は約10分。乗りたい便から逆算して一日を組みましょう。どぶ板通りとネイビーバーガーの昼食は、島へ渡る前後のどちらかに置く。戦艦三笠とヴェルニー公園は時刻に縛られないので、渡船の枠まわりの調整役として、柔軟に差し込むのがいいです。

        チェックリストの先にある体験

        一番の目玉は猿島です。「モンキー・アイランド」とも呼ばれる、東京湾で唯一の自然の無人島。三笠桟橋から約10分、往復¥1,300(小学生は¥650)。上陸して目に入るのは、緑に呑み込まれた明治期のレンガのトンネルと砲台跡です。「ジブリっぽい」とよく言われますが、今回ばかりはその例えがはまります。苔と、アーチ状の赤レンガが、本当に映画のセットのように見えるのです。ビーチやバーベキュー広場もありますが、行く理由はやはり要塞跡でしょう。時刻表には注意を。最終の帰りが17:00なので、午後の早い便で渡るのが安全策です。

        本土に戻れば、三笠公園にある戦艦三笠は、船内を歩いて見学できる記念艦です。1904〜05年の日露戦争で東郷平八郎が乗った旗艦で、現存する世界最古の鋼鉄戦艦とうたわれています。近くから出る「YOKOSUKA軍港めぐり」は、本当に珍しい体験です。現役の米海軍と海自の基地を縫うように進む遊覧船で、間近に駆逐艦や潜水艦、時には空母を見られます。静かな時間を求めるなら、ヴェルニー公園のバラ園。軍港のかたわらに約130種・約1,300株が咲き、年に二度見ごろを迎えます——5月のスプリングローズフェスタ、10月のフォールローズフェスタ。5月・6月がおすすめの理由の一つでもあります。少し南へ足を延ばせば観音崎があり、日本初の洋式灯台(1868年着工)と、林の中を横須賀美術館まで抜ける海岸・森の散策路があります。

          順番まで決めてほしい方へ

          渡船の時刻に合わせた横須賀ルートをどうぞ

          どぶ板・島・戦艦を、渡船の時刻を軸に並べ替え。段取りはこちらで済ませておきました。

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          どぶ板通りを、正直に読む

          どぶ板通りは、この街の雰囲気の心臓部です。米軍基地の脇に伸びる通りで、スカジャン(みやげの刺繍ジャンパー)の店、バー、ダイナーが並び、何十年もアメリカと日本、両方の水兵を迎えてきました。刺繍のスカジャンこそ、ここ本来の地場の手仕事で、本物の店と、新しめの観光客向けの店が入り混じっています。見分けるには、ゆっくり歩く価値があります。バーガーのダイナーもこの通りに集まっているので、通りを歩けば昼食も片づく、という一石二鳥。個人的には、どぶ板通りの本質は、写真を撮るスポットとしてではなく、腰を落ち着けて人を眺める場所として味わうことにあると思います。魅力は「質感」にあり、質感は時間をかけないと出てこないからです。

            静かな時間帯——ひとつの仮説として

            ここは少し天邪鬼(あまのじゃく)な読み方です。横須賀の観光経済は、まるごと「サルベージ(引き上げ・再利用)」の作業なのです。現役の軍港が、制約——米軍基地、脚気の糧食、退役した要塞——を、来訪者がお金を払って体験するものに変えてきた。その成り立ちは、そのまま「いつ行くべきか」のヒントにもなります。人出と暑さが最悪なのは真夏と祭りの週末で、本当に良い時期は5〜6月と9月下旬。気候が穏やかで、行列も薄まります。これはまだ仮説ですが、示すところは具体的です。横須賀は、ピーク期より端境期(はざかいき)の日帰り客にこそ、ずっと多くを返してくれる。穏やかな端境期の平日を選び、朝の早い便で島へ渡り、基地が街に本当に教えたあのバーガーを食べる。そうすれば軍港は、この街が一番得意とする「ひとひねりある一日」になってくれます。

              Good to know

              横須賀観光はどれくらい時間が必要ですか? +

              半日あれば核心はまわれます——ネイビーバーガーを添えたどぶ板通り、戦艦三笠、そしてヴェルニー公園の海沿い。ここに猿島への渡船(片道約10分)を足すと、ちょうど良い丸一日になります。品川から京急で1時間かからないので、ゆったりした丸一日がいちばんの塩梅(あんばい)です。

              横須賀は行く価値がありますか? +

              ひとひねりある場所が好きなら、あります。ここは古典的にきれいな日本ではなく、現役の米軍・海自の軍港です。見どころは、基地が実際にライセンスしたアメリカ由来のグルメ、船内を歩ける戦艦、本物の軍艦をめぐる遊覧船、そして苔むした要塞跡の無人島。お寺や庭園がお目当てなら別の街へ。個性がお目当てなら、しっかり応えてくれます。

              人混みと暑さを避けるなら、いつ行くべきですか? +

              5〜6月と9月下旬がおすすめの時期です——気候が穏やかで、人出も薄く、5月にはヴェルニー公園のバラが見ごろを迎えます。真夏は暑く、祭りの週末は混みます。穏やかな端境期の平日が、静かに楽しみたい地元派の選択です。

              猿島への渡船の料金と運航時間は? +

              往復は大人¥1,300、小学生¥650で、三笠桟橋から渡り時間は約10分です。船は1時間おき——始発8:30、最終の帰り17:00で、行きは:30発・帰りは:45発。天候で運航が変わることがあるので、その日の便は確認してください。