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秩父CHICHIBU
ガイド · 7分で読めます

【東京から約80分】秩父観光は季節で決まる〜のんびり列車と地元めしの読み方〜

chichibu, Japan
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  1. 季節がそのまま、一日の色になる
  2. 乗り換えなしの約80分と、パスの損得
  3. 地元の胃袋が通う、カツ丼と豚みそとくるみそば
  4. チェックリストの先に待つ、土地そのものの時間
  5. いちばんいい秩父は、たぶん混雑の外にある
東京から
約77〜80分 · 西武ラビュー
運賃
特急料金込みで約¥1,500
滞在
日帰り、または一泊
春の主役
芝桜(4月中旬〜5月上旬)
冬の目玉
夜祭、12月2〜3日
予約
SLパレオエクスプレスは要予約

山あいでひと息つきたい週末に、地図より先にめくってほしいのがカレンダーです。池袋から西武ラビューで片道約80分、特急料金込みで約¥1,500。改札を出れば盆地の空気はひんやり澄んで、季節の匂いがそのまま流れ込んできます。この谷は大きな催しを軸に回っていて、当たりの週か外れの週かで一日の表情がまるで変わる。たとえば12月2〜3日の秩父夜祭。ふだんは静かなこの町に、二日間で20万人以上、資料によっては28万人近くが押し寄せます。羊山公園の芝桜も、面積およそ17,600平方メートル・約40万株という関東最大級の丘が、見頃はわずか3週間ほど。アクセスが悪いわけでも読みにくい土地でもなく、どの週を選ぶかを知っておくと、ぐっと報われる場所なんです。

    季節がそのまま、一日の色になる

    数字を並べてみると、見方が少し変わります。秩父の目玉は一年にまんべんなく散っているのではなく、ぎゅっと特定の時期に寄っている。そしてこの偏りこそ、旅する側が引けるレバーなんです。芝桜の見頃はおよそ3週間の窓。晴れた4月下旬の週末には、西武秩父駅から羊山公園まで歩いて20分の道が、そのまま人の列になります。夜祭はもう一つの山場。ダンゴ坂を6基の山車が軋みながら曳き上げられ、約4,800発の花火が夜空を染める、凝縮された二晩です。町の宿も帰りの列車も、あっという間に売り切れます。この祭りは2016年12月にユネスコ無形文化遺産へ登録され、それから12月の人出はいっそう厚みを増しました。

    読み方はいたってシンプルです。旅程がピークに重なるなら、波に乗るつもりで組む。帰りの列車は早めに押さえ、公園へは午前の早い時間に着いておく。ピークを外すなら、そのぶん静かな秩父が手に入ります。同じ谷が安く歩けて、路地はほとんど独り占め。どちらも悪くない一日で、分かれ目は目的地ではなく日付のほうにあります。狙いに合わせて、まずは日付から決めてみてはいかがでしょう。

      乗り換えなしの約80分と、パスの損得

      秩父が日帰りとして成り立つ理由の一つが、この身軽さです。池袋から西武池袋線の特急ラビューが、西武秩父まで直通でおよそ77〜80分。乗り換え一切なしのまま、車窓がだんだん山の緑へ染まっていきます。運賃は基本のおよそ¥790に、特急料金¥710が乗る形。締めて約¥1,500ほどです。

      ここで一分だけ、電卓を叩く価値があります。外国パスポートを持つ人向けの「西武 1 Day Pass + Nagatoro」は約¥1,500で、西武線に加えて地元の秩父鉄道までカバーします。ただしラビューの特急料金は含まれません。だから、同じ日に長瀞まで往復する予定があって、行きはゆっくりの普通列車でも構わない、という人にはしっかり得。秩父の中心部だけを歩くなら、ふつうの往復きっぷのほうが気楽です。どちらにせよ、谷の両端、北の長瀞と南の三峰を一日で結んでくれるのは秩父鉄道。予定の形に合わせて、出発前にさっと見比べておくと安心ですよ。

        地元の胃袋が通う、カツ丼と豚みそとくるみそば

        秩父の看板といえば、わらじカツ丼。わらじの形に大きく揚げたトンカツが、丼のふちからはみ出してきます。秩父駅から歩いて約10分の老舗・安田屋は、この一皿の発祥として広く知られていて、店先の行列がそのおいしさを物語ります。三峰の神社近くには創業140年の大島屋があり、同じあふれんばかりのカツと、手打ちのくるみそばを出してくれる。晴れた日は、風の通るテラス席がよく効きますよ。

        もう一皿、旅の真ん中に据えたいのが豚みそ丼。自家製のみそだれに漬けた豚肉を炭火で焼き、湯気ごとご飯にのせた丼です。ひと口ほおばると、香ばしい煙の匂いが鼻に抜けていきます。秩父駅から歩いて約3分の「豚みそ丼本舗 野さか」が、その専門店。谷のもう一つの静かな定番、くるみそばなら、駅から徒歩約12分の和平そばが、すりつぶしたくるみの濃いつけだれで出してくれます。どれも土産物通りの上ではなく、駅からすぐの場所。本物を味わうのに中心部を離れる必要はない、というのがうれしいところですよ。

          順番まで決めてほしい?

          季節を織り込んだ秩父モデルコースを使う

          立ち寄り先、徒歩時間、カレンダーが導く回る順番——ぜんぶ用意してあります。

          モデルコースを開く

          チェックリストの先に待つ、土地そのものの時間

          秩父でいちばん胸に残るのは、写真映えより、この土地の風景そのものと結びついた時間です。三峰口はSLパレオエクスプレスの終点。80年ものの蒸気機関車が、熊谷から三峰口までおよそ56.8kmを160分ほどかけて、石炭の煙をたなびかせながら山々と荒川沿いを走ります——主に週末、要予約で。谷を上りきると、三峯神社が標高1,102メートルに立ち、樹齢800年の杉に囲まれて、しばしば霧に包まれる。日本では珍しく狼を祀る社で、社務所に並ぶ狼のお守りが、この場所の凛とした性格をそっと物語ります。

          反対の端、下流では、長瀞の舟が荒川の峡谷をすべっていきます。平らな岩畳のそばをかすめる、約3km・20分の川下り。運航は3月上旬から12月上旬までです。長瀞を訪れる人は年間およそ200万人、川下りだけでも約20万人というにぎわいなので、朝いちばんを狙うのが正解。もっと風変わりな一本なら、秩父札所28番の橋立鍾乳洞はどうでしょう。石灰岩の洞が約140メートル下へ落ち込み、ひんやりした闇に鍾乳石や石柱が垂れ下がります。そして12月の夜祭は、あの人波に耐える覚悟があるなら、日本三大曳山祭の一つに数えられるだけの重みがありますよ。

            いちばんいい秩父は、たぶん混雑の外にある

            ここからは、少し天邪鬼な読み方です。秩父の混雑は、この土地のふだんの顔ではありません。カレンダーがつくり出す一時の現象で、年に数日のピークにぎゅっと固まっている。春の芝桜の二週間と、12月の祭りの二晩です。裏を返せば、その肩の時期は実力のわりに驚くほど人が少ない。秋の平日、半分ガラガラの蒸気機関車、霧の三峯で参道に人影がまばらな朝、行列なしで手繰るくるみそばの昼。そんな秩父はカレンダーの大半にちゃんと居て、しかもたぶん、そちらのほうがいい旅なんです。まだ仮説の域は出ませんが、指し示すところは具体的。芝桜や山車を目当てにするのでない限り、この谷がいちばん優しくほどけてくれるのは、どの記事も来いとは書かない、まさにその日々ですよ。

              Good to know

              秩父観光にはどのくらい時間が必要ですか? +

              一日がちょうどいい塩梅です。ラビューが池袋から西武秩父まで約77〜80分なので、中心部のカツ丼や豚みそ丼のお昼に、神社や博物館を足しても余裕があります。そこへ北の長瀞の峡谷舟か、南の三峰か、どちらか一つの遠出まで無理なく組み込める。両端を一日で欲張ると、さすがに駆け足になります。ゆっくり味わいたいなら、一泊がじわりと効いてきますよ。

              いつ行くべきで、混雑はいつ避けるべきですか? +

              何を狙うか次第です。羊山公園の芝桜なら、4月中旬から5月上旬に、午前の早い時間へ着くのがコツ。夜祭なら12月2〜3日ですが、帰りの列車と宿はかなり前から押さえておいてください。二日間に20万人以上が詰めかけます。混雑をまるごと避けたいなら、その時期を外した平日が狙い目。秋の平日はしんと静かで、谷がいちばんいい表情を見せてくれますよ。

              秩父は訪れる価値がありますか? +

              はい、タイミングという但し書き付きで。大きな目玉、春の芝桜、ユネスコ登録の12月の夜祭、長瀞の川下り、蒸気機関車は、どれも本当に行く価値があります。ただ、その魅力は特定の日付にぎゅっと寄っている。当たりの週に重なれば格別ですし、静かな週でも、多くの旅人がむしろ好む、安くて穏やかな山の谷が待っています。どちらに転んでも、損はしないはずですよ。

              行くのに一日いくらかかりますか? +

              ラビューなら片道およそ¥1,500を見ておいてください。内訳は基本のおよそ¥790に特急料金¥710です。秩父鉄道で長瀞まで往復する予定があるなら、外国パスポート保持者向けの「西武 1 Day Pass + Nagatoro」約¥1,500のほうが得なことも。ただしラビューの特急料金は含まれないので、行きはゆっくりの普通列車になります。蒸気機関車に乗るなら、SLパレオエクスプレスの料金と予約をそこに足してくださいね。