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熱海ATAMI
モデルコース · 半日〜1日

【東京から40分台】熱海 日帰りモデルコース|半分が「泊まらない街」の歩き方

atami, Japan
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  1. 数字が指し示す、いちばん静かな熱海
  2. 群れより先に着いたもの勝ち、熱海の行き方
  3. 地元が毎日食べている、熱海の本当の名物
  4. 丼と海だけじゃもったいない、寄り道の話
  5. 朝と夕方こそ、いちばん得をする時間
東京から
約40〜50分
路線
東海道新幹線(こだま)
運賃
約¥3,740〜4,270(在来線 約¥1,980)
ベストな時間帯
平日の午前/梅は2月
1日の予算
約¥6,000+入浴代
予約
日帰り温泉/フェリーは時刻要確認

近いのに、ちゃんと遠出した気分になれる街があります。東京駅から新幹線でわずか40〜50分、片道¥3,740ほど。改札を抜けると、潮の香りと湯けむりがふわりと出迎えてくれます。人口はたった約34,000人。なのに年間500万人以上が訪れる——この一点に、熱海の歩き方はほとんど集約されています。

泊まる人と、日帰りの人。2023年の内訳は、ほぼ真っ二つでした。宿泊者2,969,420人に対して、日帰り・レクリエーション客は2,994,133人。実は、泊まらない人のほうがわずかに多かったんです。しかもその波は、年々ふくらんでいます。2024年の宿泊者数は、3,064,731人まで伸びました。前年からおよそ24万人増。2019年以来はじめて、300万人台を取り戻したんです。だから本当に効いてくる問いは、「どこを見るか」ではありません。熱海はコンパクトで、見どころはたいてい回りきれます。大事なのは「いつ動くか」のほう。日帰り客は午前遅めに着いて、夕方には潮が引くように帰っていきます。この時計に合わせて動くだけで、半日でもふしぎとゆったり感じられますよ。

    数字が指し示す、いちばん静かな熱海

    人口約34,000人の街に、500万人超。この人たちは、ある時刻にどっと現れて、また潮のように去っていきます。そのリズムを刻んでいるのが新幹線です。流入がいちばん厚くなるのは午前遅めの列車で、海沿いも駅前の飲食街も、看板級の庭園も、だいたい同じカーブを描いて混んでいきます。カギは、日帰り客がほぼ半分という事実。熱海を訪れる人の半分は夕方には帰り、朝と夕方だけが、静かなまま誰にも使われずに残されます。

    実際に歩いてみると、混雑が熱海駅を中心にした数百メートルへ、どれほど濃く凝縮しているかがよく分かります。食べ歩きのアーケード、駅前の丼屋、美術館行きのバス停。人の密度は、そのあたりでいっきに跳ね上がります。ところが、ひと駅ずらすか、海へ出るだけで、その塊はあっさりほどけるんです。だからこのコースは、駅近の見どころを午前に前倒しして、開けた場所や少し離れた体験を午後に回します。ちょうど日帰り組がホームへ戻りはじめる、あの時間帯を狙って。

      群れより先に着いたもの勝ち、熱海の行き方

      東京駅からはJR東海道新幹線(こだま)が熱海まで直通で、およそ40〜50分。片道は約¥3,740〜4,270です。速さよりお財布を優先するなら、JR東海道線の在来線でも同じ区間を約¥1,980で行けます。そのぶん時間は素直にかかるので、早朝のアドバンテージを狙わない日向き。どちらを選ぶにせよ、鉄則はひとつ。群れより先に着くことです。最初の目的地に、正午ではなく午前中に立っていられるか。手にできる最大のレバーは、じつはそこにあります。

      着いてからの熱海は、順番を意識するほど応えてくれる街です。まずは丘の上の見どころへ、バスでひと息に上がってしまいましょう。眺めが澄んで、ギャラリーもまだ空いているうちに。あとは坂を下りながら、駅と海へゆっくり戻るだけ。いちばん体力のある時間に登りを片づけて、平らで食べ歩ける地上のエリア——飲食街や海辺——は、脚が疲れて日帰り客が引きはじめた頃まで取っておきます。午前中はずっと、流入の流れに逆らって動く。それが、このプランの心臓です。

        地元が毎日食べている、熱海の本当の名物

        熱海の、うそのない名物は干物です。刺身でいけるほど新鮮な魚を天日で干して、香ばしく焼き上げる。最初に目に飛び込む海鮮丼ではなく、これを軸に一食を組み立てる価値があります。老舗の干物専門店が営む「釜つる」は、地元の金目鯛(きんめだい)や鯵(あじ)を土台にした海鮮メニューが充実していて、ここの干物がなぜ土産物ではなく「技」と呼ばれるのかが、舌でわかる店です。同じ海の恵みを丼でかきこむなら、駅の真向かいの「まぐろや」へ。活気があって気取らない、まぐろ推しの一軒です。すぐ近くの「熱海駅前 おさかな問屋」は、地魚をたっぷり盛った海鮮丼が看板。定番として、しっかり地元の胃袋をつかんでいます。

        でも、熱海をもっとうまく食べるコツは、立ったまま歩くこと。駅近の商店街「平和通り」は、食べ歩きの本場です。「うおとや」は店先で干物を天日干ししていて、日常づかいの鯵や鯖から、季節の金目鯛やかますまでずらりと並びます。「磯揚げ まる天」は立ち食いのスタンド。魚のすり身の串(磯揚げ)を、目の前でジュッと揚げてくれます。揚げたての湯気と油の匂いに、つい足が止まるはず。ただしこのあたりは、正午前後に日帰り客の混雑がいちばん濃くなる場所です。だから食にも、見どころと同じ時間の理屈が効きます。少し早めか、少し遅めに食べれば、行列のほとんどはひらりとかわせますよ。

          丼と海だけじゃもったいない、寄り道の話

          魚の丼と海の眺めだけで満足したくない人に、寄り道する価値のあるものがいくつかあります。丘の上に建つ「MOA美術館」は、約3,500点の所蔵品と、相模湾をひとすじ長く見晴らす眺望が自慢です。2月に足を運べば、尾形光琳の国宝『紅白梅図屏風』に出会えるかもしれません。毎年、限られた期間しか公開されない一枚。2月はまさに、熱海の静かな切り札です。すぐそばの「熱海梅園」は1886年の開園。59品種・472本の梅が枝を広げ、日本一早咲きとうたわれ、その月に祭りがピークを迎えます。梅の香りが冷たい空気に立ちのぼる、一年でいちばんいい頃合いです。

          もっと古くて、もっと不思議なものに触れたいなら、「來宮神社(きのみやじんじゃ)」の御神木・大楠へ。駅から歩いて約15分の距離です。樹齢はおよそ2,000年、高さ26メートルほどの幹で、その根元をぐるりと一周すると、寿命が一年延びると言い伝えられています。幹に手を添えると、ひんやりした樹皮の下で時間が止まっているようです。そして空が味方してくれた日の、午後のいちばんの一手は、本土をひょいと離れること。熱海港から初島(はつしま)へのフェリーは、片道およそ30分。全長4kmの海岸遊歩道が島をぐるりと巡り、植物園も海鮮の食事処もそろっています。これは編集部の勝手な見立てですが、あの500万人ぶんの圧力は、この島にだけは届いていない気がするんです。

            日程を合わせる

            熱海は年に約15回、湾に花火を打ち上げる

            日本でも指折りの開催頻度をほこる海上花火。旅の予定を、いっそ花火の夜に合わせてしまうのもいいですよ。

            花火大会カレンダーを見る

            朝と夕方こそ、いちばん得をする時間

            数字が何度も指し示すのは、こんなパターンです。熱海という街は、長く居座らないお客さんに合わせてできている、そういうことなんです。日帰りと宿泊がおよそ五分五分で動いている以上、駅前の店々は、午前遅めに着いて夕食前には去っていく人たちを基準に回っています。だからこそ、朝と夕方は「ねだんの安い」時間。祭りのバスが着く前の梅園、晴れた午後の初島フェリーのデッキ、日帰り組がホームへ消えたあとの海辺の温泉。同じ街なのに、人の密度はほんの数分の一まで下がります。年に約15回ひらかれる海上花火は、その何よりわかりやすい合図です。日が沈んでも人を引きとめる理由を、街はせっせと作り続けています。そこにこそ、価値が宿っているから。この時間を自分のものにできたなら、500万という数字がほとんど取りこぼしている、もうひとつの熱海が手に入りますよ。

              Good to know

              熱海の日帰りモデルコースは、1日で十分ですか? +

              ええ、たっぷり楽しめます。東京から東海道新幹線でわずか40〜50分ほど、街もぎゅっとコンパクトです。半日から1日あれば、丘の上の美術館か梅園、駅前の飲食街、干物ランチ、そして湯けむり立つ温泉まで、ひと通り回れますよ。ネックは距離ではなく、昼の日帰り客の混雑のほう。だから早めのスタートが、まるまる1時間以上の値打ちを生みます。

              混雑を避けるには、いつ行くのがいいですか? +

              平日の午前が、週末の昼をぐっと上回ります。日帰り客は熱海の年間500万人超のうち、およそ半分。午前遅めから、駅まわりにどっと集まってきます。だから駅近の見どころと食事は、さっさと早めに済ませてしまいましょう。2月は梅まつりで格別ですが、その分きっちり人も呼びます。ねらうなら平日、ツアーバスより先に着くのが正解です。

              熱海の1日は、いくらかかりますか? +

              新幹線が片道おおよそ¥3,740〜4,270(在来線なら約¥1,980、ただし遅い)。そこに干物か海鮮丼のランチ、庭園や美術館のささやかな入場料、日帰り温泉が乗っかります。ゆったり過ごす1日で、入浴代と電車代を別にして、一人あたり約¥6,000ほど。いちばんかさむのは1日そのものではなく、じつは電車の運賃なんです。

              短い1日で、初島まで足を延ばす価値はありますか? +

              天気に恵まれて、まる1日使えるなら、あります。フェリーは熱海港から片道およそ30分、島は海岸トレイルと海鮮の店をめぐって2時間ほどで歩けます。往復と散策で午後の大半を使うので、出かける前に、フェリーの時刻表だけは必ず確かめてくださいね。半日でタイトなら、初島はまた次の楽しみにとっておいて、本土でのんびり過ごすのが賢い選び方です。